心と体とお部屋の

トータルケアを通して

日々、心地よく暮らすを

実践している

ことみです。
    


前回までのあらすじ


お市さんは

学校に行って

なかったので、

女将さんから

読み書きを

教わりました。



「お市は
   
   計算が得意だから」と

帳簿の付け方も

教わりました。



女将さんの

計らいで

時々、

小さな奉公人どうしで

蔵のなかで

思いっきり

遊びました。




大きな蔵で

かくれんぼしたり

走り回ったり

跳んだり

跳ねたり…




小さな奉公人は

それぞれ

違う仕事を

してましたが、

仲が良く、

なんとなくですが、

仕事をとおして

お互いに、

尊敬していました

(認めていました)




そこでの

奉公は5年でした。

そこでの奉公が

終わると

次の奉公に行きます。




はじめての奉公が

終わる最後の日。


女将さんから

「お市、

   長い間、

  お務めご苦労様。

  
 次のお務めもありますが、

  
  お市、
 
 
   あなたは

  

 そのままでいい

   
    

  どこに行っても、


   お市でいること」


と、お市さんに


言葉を遺しました。





10歳のお市さんは

その時はあまり

よくわかっていません

でしたが、

その後、色々な奉公に

行き、その言葉の意味を

わかるようになりました。



そして、

振り返ると

女将さんは

決して誉めることも

怒ることも

なかったけど、

認めてくれて

いたんだな

と感謝するように

なりました





お市さんは

女将さんへ

感謝の気持ちが

溢れたとき、

この感謝は、

目の前の人に

一つずつ返そう

と思いました。




なんとなくですが、

女将さんに

会いにいって、

感謝を伝えるんじゃなくて、

目の前の人に

感謝を返す方が、

女将さんが

「そうよ。お市」と

言ってくれそうな

気がしたからです。





目の前の人に

感謝を返すことで、

女将さんのことを

思いだし、

感謝を伝えることが

できる、

女将さんを

大事にすることができる。

と、そう思うと

お市さんは、

嬉しくなりました。

(続く)