ロイヤルハワイアンセンター4階の室内射撃場は2017年に25年の歴史に幕を閉じた。
その時全てを売り尽くしたがマウイ島から弾を受ける装甲を買いに来た人がいた。マウイに銃砲店と室内射場を作るので売って欲しいと申し出たのだった。値段の折り合いが付き、ワイキキで使われていた装甲がマウイで今も活躍している。
商談成立したあと面白い話しをしてくれた。
ある日店に日系人男性が2人訪れた。1人は40〜50 代、もう1人は80〜90代の老人。2人は親子だという。老人はうつむいており若い方の男が喋っているがどうも銃を引き取って欲しいとのこと。乗ってきたトラックの荷台には九十九式二十ミリ機関砲!!
「どうしたんだこれは!?」
爺さんはずっと恥ずかしそうにうつむいたまま。
「父はアメリカ軍に入っていて1941年の12月8日、真珠湾で撃墜されたゼロ戦の部品回収を任命されてその時この機関砲を拾ったのだが上層部に内緒で九十九式を一丁持ち帰ったのです。」
機関砲はその後ずっと家の下で洗濯機の隣にひっそりと隠されて70年あまりの月日が流れた。
が、ある日好奇心に負けてタープを開けて機関砲を眺めてた。
どういう仕組みか知りたくてボルトを引いてみたがバネがキツい。
力任せに引いたら手が滑ってボルトは勢い良く閉まったがその瞬間物凄い轟音と共に洗濯機が粉々に散乱し、カートに乗っていた機関砲は反動で家の下を飛び出て道の反対側の車のドアにめり込んだ。。。
70年経って初めて弾が入ってたと分かったなんて。
さて、この銃は機関銃の部類に入るので個人所有は禁じられているし、父親が70年前勝手に家に持ち帰った事の重大さに気付いて処分するのを手伝って欲しいという依頼だが。
銃砲店と言えど自動銃の扱いは禁じられてるのでそう簡単な事ではない。
そこで思い付いたのが軍博物館。
「稼動可能な九十九式機関砲はいりますか?」ときいたら
「いる!けど稼動可能ってどうしてわかる?」
洗濯機を見せたかどうかは聞いてないが。。。
どの博物館で展示されているかは定かじゃない。