夏は来ぬ | NPO法人 はりま田舎暮らしの会

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7月月15日(土) 晴れ 

 
梅雨が明けると同時に、連日の夏日・猛暑日です。 
暑中お見舞い申し上げます。
 
ウチの周辺地域の田んぼでは「中干し」の真っ最中です。
「中干し」とは水田の水を落として、地表にヒビが入るまで干してしまいます。
 
画像でご覧ください。
 
完全に干上がっています。
どうして「中干し」するかと云うと、「無効分結」を防ぐためです。
 
稲は田植えから、この時期まで水田の中で「分結」をしながら成長します。3・4本を1株として植えたのが
1本づつ増えて、凡そ30本くらいまで増株します。(極端な疎植で1本の苗を手植えする人を知っていますが、1本からでも確実に分結して25~35本くらいになります。猪三郎も1本植えをやりたいのですが、
特殊な田植え機でないと1本植えは出来ません。かと言って、手植えは体力が持ちません・・・椎間板
ヘルニアの再発が怖いです)
 
これ以上増えても、その株に稲穂は育ちません。稲穂の付かない無効株になってしまいます。
そこで、25本から30本前後まで増えれば、水を止めて稲を痛めて分結を止めるのです。
又、「ガス抜き効果」もあります。化学肥料から脱却した自然農法では、鶏糞堆肥・レンゲなどの有機物を肥料として、梳き込んでいます。水を入れることにより、発酵・腐敗して有機酸のガスを出します。
 
有機酸は雑草の発芽を止めてくれるのですが、一方では稲の生育に支障があるとも云われています。
地中に溜まっていた有機酸のガスを地表にヒビを入れてガス抜きをするわけです。(猪三郎はこの有機酸が稲に悪さをするとは、思っていません)
 
ウチの稲も分結を繰り返して、これくらいの太さになりました。
中央の株で35本、左側の苗で25本くらいまで育ちました。
株間28センチの疎植のおかげで、1本、1本の苗が太くて丈夫そうです。また、株と株の間の地表には
太陽がしっかりと差し込んでいます。
 
株間18センチで密植した慣行農法の稲と比較してみましょう。株も細くて、奥の方まで陽は差し込んで
いません。
 
別の田んぼでは「コナギ」が大発生です。どえらいことになっていますよ~!
 
ここまで繁茂すると、雑草を育てているのか稲作か、分からなくなりますね~
手仕事ではもう無理です。強力な農薬を使わざるを得ませんね~ 薬漬けのお米は嫌ですね~
 
さて、我が家のたんぼには、ご覧のように水路を切ってあります。
動力付き溝切り機で縦横十文字に水路を切って、潅水・落水の水管理に重宝しています。
その水路にもヒビが入りました。
 
 
中干しするまでは、カエルはもちろんのこと、オタマジャクシなどの水生生物が沢山生息していましたが、
カエル以外は完全に姿を消してしまいました。
生物多様性の観点から見ると、可哀想なことをしましたが、これも自然の輪廻だから致し方ありません。
水が枯れるまでに地中に潜り込んで、次に水が来るのをじっと待っている奴も居るに違いありません。
 
この中干しは、あと2日間ほど続行して稲を痛めつけます。 痛めた後には、どっと満水にしてたっぷりと
水を与えます。そうすると、稲は分結を止めて、次のステップの「幼穂形成期」つまり、稲穂の赤ちゃんを
育てる時期に入ります。
この「あきたこまち」は8月1日に出穂第1号が確認できるはずです。
 
連日の夏日・猛暑日の中、例のブロンド娘たちの様子を見に行きました。
とても元気に飛び回っていましたよ!
 
しかし、重箱式巣箱から、「ラ式」巣箱への引っ越しは完了していません。
近いうちに、重箱の最上段を切りとり、「ラ式」への誘導をと考えています。
 
 
さて、今年もアイツがやって来ます。そうです!アイツです。
高濃度のネオ・ニコチノイド系農薬を満載して、水田に絨毯爆撃をかける無人ヘリコプターが・・・!
 
猪三郎は兵庫県へ養蜂届を提出していますので、JAさんから書面が届きました。
養蜂業者各位様(各位を使うと、殿とか様は不要だと思いますが・・・マ、そんなことはどうでもいいのですが・・・)から始まりますが、注意事項のこの文言が気に入りません!
曰く、「ミツバチに対して影響があるので、以下のことに注意してください。 ミツバチの巣箱及びその周辺に飛散するおそれがある場合にはこの農薬は使用しないでください。
周辺で養蜂が行われている場合は、関係機関へ農薬使用に係る情報を提供し、ミツバチの危害防止に努めてください。
 
天下のJAさん、危害防止の方法を教えてください。西洋ミツバチなら巣箱を移動することは出来るかもしれませんが、ニホンミツバチの習性・形態をご存知の上でミツバチの危害防止をせよとは、どういう事か
教えてください。
 
又、別便では、農家・住民の方へと書かれた書面が配布されました。
 
これにも、注意事項が書かれています。
1・洗濯物は、外に干さないでください。
2・駐車車両は、薬剤のかからない場所へ移動するかカバーを掛けてください。
3・庭池に鯉など魚を飼われている方は池にシートをかけてください。
4・家の窓、雨戸を閉めてください。
5・子供さんは方は、家に中から出さないでください。  等々、唖然とすることばかりです。
 
つまり、JAさんは、子供にも洗濯物にも車・池の鯉・蜜蜂にも害のある農薬だと承知をしているのです。
 
承知をした上で、JAは事前に書面でちゃんと注意をしましたよ~! 危険防止策を取るか、とらないかは、あなた方の自己責任ですよ~! 水田に農薬を撒いてくれと云ったのは、あなた方農家ですよ~! 散布代金はちゃんと払ってもらいますからね~!
 
と、云ってるように聞こえるのは、猪三郎だけでしょうか?
 
自己責任だと云って罷免された某・復興大臣と同じレベルでしょうか? JAさん。
 
いずれにしても、田んぼの中干しに無人ヘリコプターとくれば、正に夏本番!
夏は来ぬ であります。