大学病院の待合ロビーで、退屈を紛らわすため、こんなことウツラウツラと考えていました。もちろん妄想でしかありません。
ある日、2年半前に廃院になった公立病院の跡地に、大きな病院が建ちました。
見るからに高級そうな建物です。
看板には「○○アスラック病院」。
そういえば最近、△△にも「△△エー・アイ・シー病院」というのができたそうな。
どちらもアメリカ系列の保険会社が設立資金を出捐しているらしい。
この高級病院では自由診療が基本。今までの「保険診療の枠」に拘ることなく、最新の医療機器を備えていて最高の医療が受けられるって。バソナとかいう派遣会社から、最新の技術をもった選りすぐりの医師、看護師、技師が途切れることなく派遣される体制ができているそうだ。
でも、民間保険会社の医療保険の被保険者でなければ、入院時に概算を前払いしなければならないそうだ。
もちろん緊急の事故のときには、マイナンバーカードを提示すれば最低限の緊急措置はしてくれるが、それだけで追い返されるらしい。
そういえば、この間、健康保険の保険診療の枠が狭められて、原則として処方薬はジェネリックに限定、新薬は民間の医療保険に入っていなければ処方されないと新聞に書いてあったっけ。あ、処方箋がなくても買える薬は健康保険では出ないから、自分で市販薬を買えってのもあったな。
……ってことは、必要かつ満足な医療を受けたかったら民間の医療保険を買わなければいけないってことね。
この歳になってこそ4週間ごとに病院に行くようになったけど、現役時代は殆ど医者にかかることもなく、毎月保険料を払っていただけだし、そのときだって健康保険組合から国民健康保険に拠出金を払っていたのに、何なの、今になってこの冷たい仕打ちは。
政府は何のために消費税を財源に補助金まで出して病床を削減したのよ。
あっそうか、こうして健康保険制度を基盤とした日本の医療が崩壊して“更地”になったところで、外資系(アメリカ系)の保険会社と高級病院に売り渡すことが目的なのね。もちろんそれに便乗する日本資本やアメリカ以外の外国資本もあるだろうけど。
そのうち法律変えて、混合診療も可能にして、株式会社でも病院を設立できるようにするんだろうなぁ。そうすれば日本の医療マーケットでしっかり稼げるし……。
それで、自民党歴代のエライさん方、袖の下(キックバック)を幾らもらったの?
「個人に関すること、相手の会社の営業上の秘密だから、回答を差し控える」って?
ふ~ん。“個人”でしっかりと袖の下もらっているんだ。
ピンポ~ン と鳴って現実に戻った。
「受付番号○○番」 オレの番だ。