あるべき書類がないということは、“見られたら困るから隠している”と考えますよ!(国税局調査官) | 野良猫の目

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~本当は寝ていたい~

 従軍慰安婦の問題、南京事件の問題、徴用工の問題……日本が非難される問題が隊列を組んで迫ってきているように感じます。なぜ、日本政府はきちんとした裏付け資料に基づいた反論ができないのでしょうか。

 

 

 私は、これらの問題について殆ど知識をもっていないので、事実関係については何も言えませんが、このような話しを聞く度に、30年ぐらい前の国税局調査官の言葉を思い出します。

 

○ あるべき書類がないということは、我々は見られたら困るから隠していると考えますよ。

 

倉庫整理のときに、あと数ヶ月保存期間が残っている書類を、「まぁ、いいや。エイヤッ!」とばかりに段ボールごと処分してしまったのです。その直後に国税局の検査が入り、たまたまそのとき提出するように言われた書類が“エイヤッ”のものだったのです。それで、上のような遣り取りとなった訳です。このときは廃棄の記録が残っていたので、正直にそのまま話したら、情状酌量(?)してもらえましたが……。

 

 

この調査官の言葉を借りれば、従軍慰安婦問題にせよ南京事件にせよ、日本サイドに反論できるだけの書類がない、ということは、“見られたら困るから隠している”、あるいは“見られたくないことがあったので捨てちゃった”→ 後ろめたいことをやっていた。ということになるのだろうと思います。

このことは、相手国がどのような主張をしようが日本政府は反論できず、第三者の立場からは相手国の主張が正当なものと評価されることになるのでしょう。

 

 

これらの問題についての政府の見解は外務省のサイトにアップされていますが、従軍慰安婦問題については、「女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」、また、南京事件については「非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できない」と腰の引けた記述に留まり;

 

事実関係の認知 → 謝罪

 

という手順を踏んでいません。これでは、中国の民族や朝鮮民族の立場からすれば、いつまで経っても「日本政府が歴史的事実を認め謝罪した」ことにはならないと思います。

 

 

 アベ首相は、戦後70年の談話で、「日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。」と言ったそうです。

 

ここは、ひとつ、5歳のチコちゃんに叱ってもらわなければならないでしょう。

 

 他人事のように言ってんじゃねーよ!

  

 その原因を作ったのは、間違いなくアベ首相の祖父の世代の政治家(軍部を含む。)と官僚ではなかったでしょうか。アベ首相が本当にこのように考えているのなら、自身で今日の状況を生んだその原因を戦前に遡って明らかにし、その上で、将来に向かって、公文書(国会の議論の記録、、行政の文書・記録)を確実に保存し公開するための対策を講じるべきでしょう。

 

 ところが現実は全く逆の方向を向いていると言わざるを得ません。あるものをないと言い、記録文書を改ざん・廃棄し、データをねつ造し、報道に圧力をかけ……

 

あぁ、書き出したらきりがない!

 

挙句の果てには米国の文書開示で明らかになった事実さえ、日本の官僚は、その文書の存在もそこに書かれた事実も否定してきました。そればかりでなく、定かではありませんが、米国に公開をしないよう要求して同国から顰蹙(ひんしゅく)をかったというような報道をみた記憶があります。

 

 

 アベ首相はことあるごとに、「○○しなければならない」、「○○があってはならない」、「○○させてはならない」と、誰にとっても当たり前のことを、あたかも自分の独自の信念のように言いますが、従軍慰安婦問題、そして南京事件について、先の世代のための具体的に何をやったのでしょうか? そしてその成果はあったのでしょうか?

 アベ首相が、政府に過去の記録が残っていないことを含め、きちんと責任をとらなければ、この問題は、永遠にアジア諸国から外交カードとして使われ、“先の世代”は謝罪を求められ続けることになるでしょう。

 

○ あるべき書類がないということは、われわれは“見られたら困るから隠している”と考えますよ。

 

 今の政治家、官僚の姿勢が改まらない限り、ことある毎に、この言葉が呪いのように国民の背中に被さってくるでしょう。