「憎まれ口」と「肉まみれ口」は
まるで違う。
ふだん憎まれ口を叩く俺だが、
ときどき肉まみれ口になると口数が減る。
口数が減る理由は、肉の前で人は無力になるから。
そもそも力はないが、さらに力削がれる。

池袋といえば、近年オタクの聖地として
リブランディングが進んでいるが、
たしかにそんな雰囲気の若者は多い。
悪そうな人たちはあまり見ない。
だから怖がらずに行ける。
そんな池袋にその名を轟かせようと
昨年末頃にオープンしたのがここ。
焼肉とどろき
お肉一枚売りの焼肉屋さん。
食べたい肉を食べたいだけというわけ。

ねっとり美味すぎる杏仁豆腐の話からするのは
さすがに野暮なので肉の話をしよう。

こういうときは戦略が必要だ。
何から食べれば上手に満足、満腹になれるか。
常套手段としては、タンから。
名物という厚切りタンから。
これは二人で1枚でいい。
最初から欲張ってはいけない。
華麗にダイヤモンドカットされた牛タン。
これはお店の人が焼いてくれる。
これこれは、美味すぎるっ。
かろうじて抵抗するもサクっと噛める。
この歯ごたえからして美味しい。
絶妙なタイミングで来たライスとの相性もいい。

次は早くもメインディッシュへ。
黒毛和牛のリブマキ。
テーブルの上でフランベしてくれる
ファイヤーステーキッ!
たっぷり焦げ目のついたリブを
フライパンに移して果実酒を少々。
数秒待つと、突然、ファイヤーーーー!
強い火が上がるのに比例して、
俺の気持ちも上がる。
焼けたお肉を特製のタレにたっぷりくぐらせて。
感動という言葉を誰かに贈りたいが、
贈り先は一つじゃなさそう。各所にありがとう。

けっこうなボリュームなので
お腹の具合もいい感じ。
コースだとメインが来るのは中盤なので
ここまで美味しくは食べられない。

その後、上ホルモン、上ミノ、カルビ、中カルビ。
少ないように思うが実はもうこれで十分。
ライスは2杯。
生オイキムチはキュウリの皮を向いた、
発想も素材も新鮮なやつ。超美味い。

そして嬉しいのがちょこっと冷麺。
ちょこっとと言いながら、それなりの麺量。
良い意味で期待を裏切る過少表現。

杏仁豆腐は一つだけ頼んだんだけど、
あまりにも美味しすぎてもうひとつ追加。
肉の感動をぜんぶ持って行きそうな
過去一感動な杏仁豆腐だよ。
こんなの最後に食わせるなんてヒドイ。
そんな憎まれ口も叩きたくなるよ、
何もかも美味すぎるじゃないか!

【食べたもの】
名物厚切りタン
黒毛和牛リブマキファイヤーステーキ
カルビ
中カルビ
和牛上ハラミ
上ホルモン
上ミノ
ちょこっと冷麺
生オイキムチ
もやしナムル
ライス×2
自慢のトロける杏仁豆腐