クラフトという言葉は、
近年よく見かけるが
その定義はあいまいだ。
もう広辞苑には載ってるだろうか。

単なる手作りではない、
手の込んだ手作り品という理解だが、
この魔法の言葉によって
料理や飲み物は魅力的になる。

これはクラフトだよね、なんて感じるほど
繊細な舌は持ち合わせいないが、
クラフト感を醸し出す、
まがい物はなんとなくわかる。

そのくらいの中途半端レベルの俺が
本格的なクラフト居酒屋に行ったという話。
横浜駅からそう遠くないビルの7階。
入った瞬間にわかるおしゃれ感。
内装からしてクラフトしてる。
客の高揚感を高める雰囲気がすてき。

メニュー表のど真ん中にあるBBQコンボ。
メインの肉を好きに選べるという代物。
時間がかかるので最初に頼むのがいいらしい。
男気を見せてMAX4コンボ行きたいところだが
男はおれ一人だし、男気なんて時代遅れだし、
なにより二人なので2コンボ。
牛ランプステーキと期間限定ソーセージ。
プレートの中心には牛の骨髄。
これをアクセントに食べるという荒技。
塩コショウ味の骨髄が妙に美味い。
そのまま食べてもイケる。
骨の髄までしゃぶり尽くすとは、
よく言ったモノだ。

肉もいいが、北海道のインカのめざめポテト。
こんなに美味しいジャガイモ初めて。
なぜ北海道でインカが目覚めるのかは謎だが
この目覚めは大歓迎。

数あるメニューの中から、
スモークエッグのポテトサラダを
選んだ自分を褒めたい。
半熟卵と生クリームとポテサラ。
こういうの、クラフトって言っていいよね。
ハイレベルなポテサラに感動したところで、
生ハムの瞬間燻製。
テーブルの上で蓋をあけて煙を開放。
煙にもいろいろあるが、
これほど好感の高い煙はない。

おびただしい料理を前に
クラフトを定義づけする
決定的な言葉は見つからなかったが、
言葉で納得するより、
ここで食べて飲んで体感したほうが早い。
辞書を調べても、
クラフトの味はわからない。


【食べたもの】
●BBQ COMBO(2種盛り合わせ)
・オーストラリア産牛ランプのステーキ
・新生姜を使ったジンジャーソーセージ
・ハープポテトフライ
●スモークエッグのポテトサラダ
●香り立ちこめる生ハムの瞬間燻製
●丸ごと国産にんにくとムール貝のアヒージョ
●ケイジャンチキンと茄子のアラビアータ
●クラシックチーズプリン
●生チョコテリーヌ