最近ハンガリーの金利低下が著しい。米国金利の急上昇の影響を受け、新興国金利が
急騰した 6月 8日、ハンガリー 2年国債利回りも 7.25 % まで上昇したが、昨日引けは
7.05 % と、一週間強で 20 bp もの金利低下となり、10年債利回りも 6.87 % から
6.72 % へと 15 bp も下がっている。
これは5月の CPI が年率 8.5 % と、3月 + 9.0 %、4月 + 8.8 % から順調に低下して
いること。 さらに今年の財政赤字の当初見積もりが対 GDP で 6.8 % であったのが
税制改革が功を奏し、6.4 % 程度にまで減少すると見られていること。 また 2008年度の
目標数値である 4.3 % の達成にもほぼ目処が付き始めていること。 さらには輸出が好調で、
経常赤字も低減していることなどを背景に今月 6月 26日のポーランド国立銀行 定例
理事会において利下げ措置は難しいとしても、7月 23日の政策決定会合で 25 bp の金利
引き下げが視野に入ってきたことが主要因。
市場では 夏場以降の CPI の大幅低下 (昨年の増税による CPI 急上昇の反動が
見られる) が見込まれていることから、今後 1年間で政策金利が 125 ~ 150 bp 引き下がる
との観測が強く、これがハンガリー国内金利の低下を導いている。
唯一気になる点として、国内の賃金上昇がこのところ目立ち始めている。 本日 4月の平均
賃金が発表になるが、市場予測は年率 + 8.0 % と、3月の + 8.4 % からやや下回るものの
高水準を維持。これか 7.5 % を下回っているなら、利下げ観測がもう一段進みそうだ。
利下げ期待による国内経済環境の改善から、フォリントも続伸している。 上記どおり
6月08日に激震が新興国市場を襲ったこともあり、フォリントは対ユーロで 254.50 まで
下落したものの、その後順調に買い進まれ、先週後半には 250.00 を割り込む展開。
昨日は小動きながらも、利下げ期待感の高まりとともに、今後もう一段の上昇を見せる
ことも考えられる。
昨日のハンガリー債券市場、2年国債は 5.0 bp、10年債は 8.0 bp 利回り低下と、イールド・
カーブ全体に大きく買い込まれて引けている。
現在のところ市場関係者の間で利下げ予測は少ないものの、来週火曜日 (6/26) の定例
会合後に予定されているシモール中銀総裁の記者会見に注目が集まりそうだ。
米 ド ル/対 円: 123.70円 + 0.20 02年国債: 7.05 % - 5.0 bp
フォリント/対 円: 0.664円 + 0.003 10年国債: 6.72 % - 8.0 bp
米ドル/フォリント: HUF 186.35 + 0.350 原油価格: $ 69.09 + 1.09ドル
ユーロ/フォリント: HUF 250.05 - 0.100 金価格: $659.90 + 1.20ドル