昨日ハンガリー政府は今年度、およびその先の同国財政赤字見通しなどの報告書を

公表した。 2004年に欧州連合に加盟したハンガリーは、通貨統合適合基準である

GDP 3.0 % 以内を達成することが出来ず、昨年は 9.2 % と、基準の 3

以上に膨らんでいた。 このため欧州通貨委員会はハンガリーに対して早急な財政赤字

削減を厳命。 赤字削減に遅延が生じた場合、欧州連合からの補助金を打ち切るとした

ため、ハンガリー政府は昨年付加価値税増税、医療補助金の削減、公共料金の引き上げ

などで対処。 その結果増税分がオンされた3CPI は年率ベースで 9.0 % にまで跳ね

上がったが、この税金分のCPIへの負荷が秋口以降取り除かれるため、同国 CPI は急速に

低下することになる。  今回ハンガリー政府が改定した各種指数は下記の通り。

.                   2007年     当初見通し     2006

* 財政赤字 ( GDP)  + 6.4 %      ( + 6.6 % )     + 9.4 %

* 累積債務 ( GDP)  +66.2 %      ( - )     +70.1 %

* 経常赤字 ( GDP)  + 3.6 %       ( + 5.0 % )     

* C.P.I. (年率) 今年 3月  + 9.0 %      今年年末 + 4.5 % + 5.0 %

* 財政赤字見通し (昨年時点での見通し / 対 GDP)

.    2006年 + 10.1 %    2007 + 6.8 %    2008 + 4.3 %    2009 + 3.2 %

 

上記のように大幅な増税などにより、昨年予測した財政赤字は、対 GDP比で当初予測で

あった2006 + 10.1 % + 9.4 % へと低下。 また今年も + 6.8 % の予測が + 6.6 %

へと減少し、さらに + 6.4 % に低下する見通しとなっている。

この報告書と平行し、先週土曜日にジュルチャーニ首相は、更なる医療補助と教育費補助の

改革に意欲を示し、社会党 (MSZP) と連立政権を組んでいる自由民主連盟 (SZDSZ)

ほぼ基本合意に近づいていると語り、改革スピードが遅く、場合によっては連立解消も

辞さないとクレームを入れた自由民主連盟の意見を取り入れる見解を開いている。

またコカ自由民主連盟党首は、「まだ詳細部分について詰めなければならない部分がある」と、

より厳格な財政赤字削減が必要と示唆。 一方社会党内部からは、「貧困者に対しての

補助金カットは、充分な福祉がなされない」と大幅削減に難色を示す声も強い。

自由民主連盟は社会党に対し、6月末を期限に医療・教育支出削減の格子を求めると

しており、これが出来なければ連立政権外から社会党を支えると、社会党への協力関係の

希薄化を示している。

現在一般民衆による社会党への支持率は 20 % を切っており、連立政権自体への

支持率も 25 %程度。 この体制が壊れるなら議会解散も視野に入る可能性もあるため、

両党合意の可能性が高いと思われる。

昨日のハンガリー金融市場、先週金曜日の急落から主な新興市場国に巻き戻しの買いが

続き反転。 ハンガリーもその動きに乗じたこと。 また政府による財政赤字改善および

CPI 見通しを好感し、フォリントも対ユーロでしっかり推移。 

債券市場ではフォリント高が短期債の利回りを急低下させ、2年国債は前週末比 10 bp

利回り低下。 10年債も 6 bp金利低下で一日を終えている。

  ル   対 円 :   121.75円  + 0.10    02年債: 7.15 % -10.0 bp

フォリント/対 円 :     0.643円  + 0.001   10年債: 6.81 % - 6.0 bp

フォリント/対米ドル: HUF 189.40  + 0.450   原油価格: $ 65.97 + 1.21ドル

フォリント/対ユーロ: HUF 252.90  + 0.700    金価格: $659.00 + 8.70ドル