世界でも珍しい一院制を採るハンガリー議会、386議席で任期 4年の制度となって

おり、20064月の総選挙から一年強が経とうとしているが、週末与党連立政権に

軽い緊張感が走った。

現在のハンガリー議会与野党議席数は、

(1) 社会党            (MSZP)   190議席   第 1与党

(2) 自由民主連盟        (SZDSZ)    20議席   第 2与党

(3) フィデス青年市民同盟   (Fidesz)   140議席   第 1野党

(4) キリスト教民主人民同盟          23議席   第 2野党

(5) ハンガリー民主フォーラム (MDF)   11議席   第 3野党

ジュルチャーニ首相が率いる社会党 (MSZP) の議席数は 190議席と、議会過半数で

ある 194議席に届いていないこともあり、自由民主連盟 (SZDSZ) 20議席と連立政権

(合計 210議席) を組み議会運営を司っている。 一方野党議席総数は 174議席で

その差 36議席と与党優勢の状態。

しかしながら週末与党第 2党である自由民主連盟 (SZDSZ) は社会党に対し、「国内

構造改革のスピードがあまりに遅すぎる」 として、連立政権を脱退する可能性を示唆した。

さらに自由民主連盟は、連立政権の運営工程と見直しを社会党に迫っており、特に

社会経済システムのオーバー・ホールや、医療費支出改革に対する社会党の否定的な

態度に業を煮やしたかのように圧力を与え始めた。

ジュルチャーニ首相はこの自由民主連盟の要求に対しすばやく反応。 医療支出、教育、

税制システムの更なる改革に努めるとし、週内に自由民主連盟と会談を持つ予定。

昨年ハンガリーでは与党の政策を偽っている裏テープが発覚し、増税と共に市民の暴動に

近いデモへと発展。 結果野党第一党であるフィディス青年市民連盟の人気が高まり、

解散総選挙の声が時として浮上していた。 その後一連の構造改革が終了し小康状況を

辿っていた連立政権であるが、財政赤字削減が急務の課題となっていることもあり、

20議席と少数政党の自由民主連盟は 解散総選挙よりも更なる構造改革を野党に

迫ったほうが有利との考えで今回の連立解除を社会党に匂わせたようだ。

社会党内では医療改革は弱者切捨てとなるため反対の声が多いものの、最近の世論

調査で同党の人気が徐々に下がってきていることもあり、ジュルチャーニ首相は

自由民主連盟の要求をすんなりと受け入れる可能性が高く、もう一段の財政赤字

削減が期待されそうだ。

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