ここ暫くほとんど動きがなかったハンガリー金融市場であるが、昨日はユーロ圏および米国

債券市場が大きく落とす中、好材料が揃い しっかりとした動きとなり、2年国債利回りは

2 bp 買われている。

まず朝一番のテレビ・インタビューで カルバリツ・ハンガリー国立銀行副総裁が、

「仮にフォリントがユーロに対して現水準を保つのであれば、2008 / 9年の中期的インフレ・

ターゲットを達成することは可能であろう」とし、「ハンガリーの CPIは今年 3月に記録した

9.0 % をピークに下落トレンドに入っており、夏場終わりには低下を辿るであろう。 2009

1四半期には + 3.0 % のターゲット達成が可能になると思う」と述べ、「増税から来る

インフレという痛みを負ったものの、財政赤字は昨年の対 GDP 9.2 % から今年は

6.6 % にまで削減されている」と述べている。 

またフォリントの 上下 30 % のバンド制御に関し、「 中銀としてフォリントのターゲット・

レベルは持っていない。またインフレ・ターゲット達成とフォリントのバンド制御はまったく

別物であり、当面政府も中銀も為替バンドの撤廃は視野に入れていない。 政府は財政赤字

削減のために一層の構造改革を推し進めるべきだ」と述べ、フォリント高を誘導しつつもバンド

撤廃は当面ありえないことを示した。

またバレス財相も、「今年のハンガリーの財政赤字は対 GDP比で 6.6 % を下回るであろう。

さらに新予算規則では 2009年まで計画以上の支出増を避けるように決める」と新聞で

述べていたことも好材料。

一方ハンガリー金融市場では、JPモルガン社がハンガリー金融市場の現況レポートを公表。

それによると「ハンガリーはリスク要因が徐々に小さくなってきており、 エマージング債券・

為替市場を取り扱う186社への聞き取り調査においても、ハンガリー金融資産をオーバー・

ウェイトのポジションを維持しており、5月もほとんど変更せず。 過去 2ヶ月とほとんど

同様のアロケーションを組み、昨年 6 – 2.9 % のアンダーウェイトが、現在では + 1.9

オーバー・ウェイトとなっている」と公表。

また金利見通しに関しては、「5月の理事会で同国賃金上昇に対してきわめてタカ派的な意見と

なっていたことから、金利引下げは 6月の理事会ではなく、7月の理事会で実施されるとしている」、

また 「フォリントの狭いバンド設定は現在のハンガリー経済維持とインフレ抑制に適していると

しているが、今後 6ヶ月以内に撤廃される可能性も否定できない」とし、「現行のフォリントの

水準は経常赤字の削減、リスク要因の軽減につながる適正レンジである」とし、「場合によっては

対ユーロで 245 を超える水準まで買い込まれる (現在1ユーロ 250.65 フォリント) 可能性も

ある」と見ている。


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