シモール新総裁就任後 2回目の出席となったハンガリー中央銀行 定例政策決定

会合で、市場の予測どおり、政策金利である 2週間の預金金利を 6ヶ月連続

+ 8.0 % に据え置いた。

ただ理事会終了後、シモール総裁の会見とステートメントの内容は予想外にタカ派的な

コメントが並んでおり、かつ13名の理事中利下げ賛成はわずか 1名であった。 

市場関係者の間では、早ければ 5月に利下げと予測していた者も多かったが、夏場に

ずれ込むような内容に驚きの声も上がったようだ。

今回の討議内容は下記の通り。

2007 1,2 月のインフレは中銀見通しの範囲内であった。ただ 3月の CPI

( + 9.0 % YY ) は、満足出来るものではない。 第 1四半期のコア・インフレとなる構成

品目は下落方向にあり、インフレ圧力軽減の兆候が見えるものの、非耐久消費財と食品

価格は当局が予測した以上に上昇した。

よってこれら品目の価格が一時的な上昇なのか否か、再度確認をする予定である。

各種経済データが示す現在のハンガリーの経済環境は依然としてまだら模様となって

おり、今後の政策決定に対し会合参加メンバーは、一層の情報を必要としている。 

ただ財政危機は峠を越したと思われ、明るい兆しが確認できる。

4月のハンガリー国債市場におけるリスク・プレミアムは引き続き低下している。

投資家の信頼感が増していることもあり、仮にインフレ改善が進むのであれば

利下げはより明白になろう。

ハンガリーの CPI は、今年 3月の + 9.0 %Core CPI + 6.0 % (YY) でほぼピークを

打ったと考えられるが、賃金動向に不透明感が残るため、注意深く検証中である。

2月の賃金上昇は下落に転じたものの、賃金とインフレの上昇率はなお当局の

見通しを上回っている。

フォリントのトレーディング・バンドとインフレに関し各種の議論がなされているが、

今後検討すべき問題かも知れない。  ただ為替レートに関する意見は控えたい。

などと、市場予測よりも幾分厳しい見解となったようだ。

しかしながら 3ヶ月物インターバンク・レートは現在 7.83 % で取引されており、基準

金利を 17 bp 下回っている。 ハンガリー金融市場では 25 bp の金利引き下げを

織り込んでいることもあり、次の利下げは視野に入っていると言って過言ではないであろう。

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