夫が入院してもうすぐ2ヶ月になる。

ぴくりともしなかった手足が、毎日のリハビリで少しずつ動くようになった。

人間の身体ってすごいなあと思う。

多分、装具をつけて杖をついて歩けるようになったら退院かな。

今はまだ車椅子。右手は麻痺が残ると思います、と言われた。

夫の脳梗塞はタチが悪いタイプで、入院してからどんどん悪化していって

梗塞範囲が広まっていったので、後遺症は重いみたい。

 

最終的にどのくらい動くようになるかわからないけど

今は「手は1年くらいかかるかな」と言ってる夫が、いつかは

麻痺が残るという事実を受け入れなければいけない時が来る。

私は、生きていてくれるだけで十分と思うけど、本人はそんな簡単に

元に戻れないことを納得できないだろうと思う。

後遺症が軽く済みますように、またギターが弾けるようになりますように

毎日そうお願いしてるけど、麻痺のほかにも、前立腺や、もしかしたら

副腎も何か問題があるかもしれないみたいで、それを思うとやっぱり

命があるだけで、それだけでありがたい、って思う。

 

最近、病院から帰る頃は真っ暗で、肌寒い。

疲れたなーと思いながらポストを開けると、不在票が入っていた。友達からだ。

翌日再配達してもらうと、いろんな詰め合わせと手紙が入っていた。

夫のことで頭も身体もいっぱいな私の、体調を心配してくれていた。

友達らしい、さり気なくてスマートな心遣いがすごくうれしかった。

 

母はこの2ヶ月間に、3度も野菜や手作りのおかずを送ってくれた。

一つ一つに「くよくよしないでサバを食べてサバサバ行こう!」とか

「毎日病院通いご苦労さま、身体冷やさないようにね」とか添えてあって

母らしいなーと泣き笑いした。

 

 

同じような明日が来ると信じて、流れる時間をただただ消費していたけど

当たり前のことなんて、何ひとつなかったんだ、と今さらながら思う。

自分が生きていること、家族が生きていること、友達が生きていること

いろんな人たちに支えられて助けられて、目に映るあらゆるものごとに

こんなに感謝したことはなかったかもしれない。