アッサラーム アライクム(こんにちは。)

<<現在地、アンマン(@ヨルダン)>>

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デリーのお話。
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[前回記事→バラナシからデリーへ]

デリーに到着した日。

翌日のアーグラ行きのチケットも無事購入したし一安心。

デリーは特に観光する予定もなく、ご飯でも食べてゆっくりしようかなと出かけました。


歩いていて見つけたのが、ここ。
デリー2
『アンナプルナダバ』

メニューがよくわかんなかったので、とりあえずチキンカレーとライスを注文。


あまりの暑さに、

あー、もうどこに行っても暑いなー、食べたら絶対宿に帰って涼もうって心の底から思いました。

しばらくすると、カレーが運ばれてきました。
デリー1


隣の席に二人の男性が座っていたのですが、(なんかずっとこっち見てるなって思ってたら)

私がカレーを口にしようとした瞬間、そのうちの一人が、

「Hey!! それは・・・」

と言いかけました。

それと同時に口にしてしまった私。

私「辛い!!

男性「知らなかったの?」

私「こんなに辛いとは思わなかったよ・・・」

男性「こっちは辛くないよ。」

と言って、店員さんを呼びヒンディー語で注文してくれて、緑のカレーとじゃがいもの炒めものみたいなのが出てきました。

これがものすごく美味しくて、さっと機転を利かせてくれた彼にとても感謝しました。

もう一人の男性は英語が話せないようで、静かに黙々とご飯を食べていました。


カレーが辛い!ってなる前は、その二人は完全に背景でしたが、お話した瞬間から色がついて現実の人になったので驚きました。


英語が話せる方の男性と、そのカレーがきっかけで話し始めました。

どうやら彼らはネパール人で、旅行中のようです。

「今日、何か予定あるの?」と聞かれ、「何もないよ。」と言うと、

「これからインディアゲに行くんだけど、一緒にどう?」と言ってくれました。

インディアゲって何?あげ?

何回聞いてもインディアゲとしか聞こえない。

デリーは観光する予定がなかったので何も調べていないから知らないことの方が多いよね、と勝手に納得。

英語が話せない方の男性は、「僕はいいや」って言って、自分のホテルに帰ってしまったので、二人で行くことになりました。

・・・暑いから宿で涼もうって思った私はどこへ・・。


携帯と少しのお金しか持ってきていなかった私は、カメラなどをとりにいったん宿へ。

ついでにそこにいたインド人スタッフに、「インディアゲって知ってる?」と聞くと、

「India gate!もちろん。」

なるほど!インド門のことか。

謎が溶けてすっきりして、宿の外で待ってもらっていたネパール男性と合流。

彼の名前はRaj。

待っている間にタバコを吸っていたので、マイナス100ポイント。

愛煙家には申し訳ないのですが、私はタバコのにおいが嫌いです。




バスに乗って行くことになりました。

ヒンディー語が話せる彼が地元の人にどのバスに乗ればいいのかを聞いてくれます。

ネパール人ではヒンディー語のテレビとか映画が放映されるので、ネパール人はネパール語とヒンディー語、そして英語を話すらしい。

彼の話ではネパールごとヒンディー語はちょっと違うけど、だいたい同じで、文字も似ているそうです。

「日本と中国の漢字も同じようなもんだろ。」と言われたけど、そうなのかな。結構わかんないけどな。

ちなみに彼はドバイで8年も働いていたらしく、アラビア語もわかるみたいです。


全く知らない土地で、現地の言葉を話せる人が一緒にいるというのはとても心強い。




最初に行ったのは、『Lal Qila(ラール・キラー、赤い城)』

・・・だったのですが、その日は月曜日でお休み。
デリー3
中に入れず撃沈する彼。

「外から見ても十分きれいだったよ」と励ますと、「中はもっときれいなはずだ。」

まあいいじゃないですか。



そして、彼はそこにいた地元の人にどこかいいところがないか聞いていた様子。

「これから動物園に行くよー。」

動物園かあ、久しぶり。

オートリクシャーで向かいました。

実は、この時点でZooというのがどうしても「ゾー」としか聞こえず、またしてもそれどこや?と内心思っていたのですが、まあいいやと思って付いて行ったのでした。

自分の適当さに呆れます。



途中、信号でオートリクシャーが止まったとき、物乞いの子どもとかボールペンを売る子どもが近づいてきました。

そんな人たちに対していつもどうしていいかわからず困ってしまいます。

すると、Rajは自分の方に来るように少年に手招きして、ヒンディー語で諭すような感じで話しかけました。

話し終えると少年はうなずいて去って行きました。少年は7~8歳くらいでした。



「なんて言ったの?」と聞くと、


「彼に今必要なことは、勉強をすることだ。勉強をしてそれから仕事についてお金を稼がなくちゃいけない。彼は健康そうだったし、手足もしっかりしていた。もし何か障害があったりして働けないならあんなふうにするのもしかたないかもしれない。でも、彼は違うと思う。まずは勉強をしっかりしてそれから働く必要があるんだ。そう言ったら彼は『わかった。』って言ったよ。」



その少年にももちろん大きな家庭事情があり、もしかするとそのペンが売れなければ今日の生活すら厳しい状況なのかもしれません。

将来のための勉強よりも目の前の生活をどうにかしなければならないのかもしれません。

物乞い対する対応はひとそれぞれで、最初から完全に無視する人もいれば、「ごめんね」っていう人もいます。


でも、一人の少年の将来のためにこの短い信号待ちの間にちゃんと向き合ってお話をしている人は初めて見ました。




こんなことも言っていました。

「今自分がお金を渡すことは簡単だけど、それじゃあ彼のためにならないしね。
まあ、観光客は物乞いにお金を上げる必要はないから君は相手にしなくていいと思うよ。」


あかん。グッときた。

タバコでマイナス100ポイントだった彼は、一気に5000ポイントくらいになりました。




その後、無事に動物園に到着。
デリー4
びっくりするほど大きな動物園でした。

入場券を買うときに、チケット売り場のおじさんに「どこの国の人?」と聞かれ、

Rajが「僕はネパールで、彼女は日本だ。」と答えると、

Rajは40INRで私は200INR払わなければならないと言うのです。

ここでも外国人料金かよ。

っていうか、ネパールも外国だろ。

(ちなみに、ネパール人はインドビザはいりません。ネパールはインドなのか・・・。)

日本に比べれば安いし、まあ払ってもいいかなと思っていたのですが(私は適当なのです)

Rajがおじさんとヒンディー語で交渉し始めました。

でも、ダメだったみたい。

「どうしてもダメだっていうだ。ごめんね。入りたくないなら他のところに行こう。どうする?」

「いいよ。入ろうよ。」

と、言うわけで入場。

入り口でセキュリティチェックみたいなのがあり、それも男性用と女性用に分かれているのが、インドだなあという感じがしました。


やたら広い動物園。しかも暑い。ただ暑いだけではなくて、蒸し暑い。
デリー5

最初はぼーっと見ていましたが、
デリー6


ゾウさんのコーナーで大興奮する私。
デリー8

「像、好きなの?」と言われて、あれ?像好きだったっけ?と思いながら、

「私、ラオスで像に乗ったんだよ。」っていうと、彼も乗ったことあるらしい。

なーんだ。

そうだよね、ネパール人だもんね・・。


ホワイトタイガーとかベンガルトラとか、ライオンとかを見て興奮するRaj。
デリー7
ライオンはいつ見ても男前だなあ。

デリー9
ホワイトタイガーもかっこよかったです。でも、どちらかと言うとライオンの方が好き。

そして、看板を見て「俺はまだオオカミを見ていない。」と言って、オオカミを探す彼・・・

少年か。

オオカミはお休みだったようです。



ひと通り見終わって、ベンチで一休みしました。

「インドに来てやたら蚊に刺されるんだよね。」って言うと、

「それはいけない。ここの蚊はマラリアとかデングとか病気を持っているから。君も知ってるだろ?虫除けのオイルがどこにでも売っているから早く買った方がいいよ。」

言うことがいちいちまとも。

見た目はやたらワイルドでいかつい感じなのだが・・・これがギャップ?



木陰はまだ過ごしやすかったのですが、一歩そこから出るとうだるような暑さ。

インド・・・

暑すぎる。

暑すぎる上に汚すぎる。

Rajはずっと、「暑すぎる。ネパールはこんなんじゃないぜ。」と言っていました。

日本の夏も暑いけど、やっぱりインドの暑さには負けます。

ここまでやる気をそいでしまう暑さってないです。



話はつきず、動物園の閉館の時間になってしまいました。というか、すでに閉まっていました。(警備員さんに門を開けてもらった。)




ついに、本日のメイン、インド門に向かいます。

メインの登場、遅いっ。

話しながら、歩いて行きました。

いったいあんなに長々となんの話をしたんでしょうか。

覚えてません。


インド門に着く頃は日が暮れていました。
デリー10

「僕はここに一番来たかったんだ。」と言っていました。来られてよかったねえ。



門の前で歴史の解説を始める彼。ガイドかっていうくらい詳しくて、おみそれしました。


インド門は、第一次世界大戦で亡くなったインド兵士の慰霊碑。

門をよく見ると亡くなった兵士たちの名前が刻まれています。

門の下には火がともされています。この炎は途絶えることなく燃え続けており、その隣には銃と帽子が飾られています。

言われなければ気づきませんでした。


デリー11
その後、夜の公園で「ちょっといい?」と言って、タバコを吸い始めたため、

「私、実はタバコが嫌いなんだ。」と言い放ちました。

雰囲気ぶち壊しですね。笑

即座にタバコをもみ消しながら、「俺はヘビースモーカーじゃないよ。全く吸わないときもあるんだ。」とかなんとか言っておりましたが、今私の目の前で吸っていることが問題であるよ。




その後、メインバザールで夕食を食べて帰ることにしました。

お昼のカレー事件で、辛いのが食べられないことを知った彼は、辛くない料理を頼んでくれました。

「インド来てから暑くて食欲ないんだ・・・」って言うと、

「は?今食べないといつ食べるんだ。とりあえず、食え。食べないと暑さに勝てないぞ。」

と言って、お皿にちょっとずつ盛りつけてくれました。

お父さんか。

インド料理とネパール料理についての解説もしてくれました。ついでに作り方まで・・・。

食べる前に、手を合わせて「いただきます。」と言うと、

「何?お祈り?」

と言われて、そういえばこの仕草は無意識なんだなって改めて気付いたのでした。

「英語に直すのは難しいけど、食べ物とか作ってくれた人とかに感謝してから食べ始める習慣なんだよ。」

って教えてあげました。

「へー、日本人はいつも丁寧なんだなー」と感心しておりました。

全然いつも丁寧じゃないけどね!(むしろいつも適当ですけどね。)




全く観光する予定がなかったデリーですが、Rajのおかげで楽しく観光することができました。

ありがとう。

また、ネパールで会いましょう。