昨日 あるママさんとお話しするチャンスがあり、その会話から 思ったことがあるので
書いておきます。

このママさんは、前から英語が大事だ!と思っている人で ご自分も英語はそこそこできる。そんなママさんは

「子どものお稽古ごとや勉強で 自分で始めたことは 絶対にやめないでがんばって続けなくちゃダメって言っているし、本人も好きで始めているからいいんだけど、英語だけは、私のエゴというか私の想い、理想だけで 習わせているのよね。だから 子どもたちが もう嫌だって言い出したら 罪悪感を感じてしまう。もちろん、やめさせることは考えてないし、子どもをもっと励ましていくけど・・・子どもの英語にたいするモチベーションをUPさせるって難しいですね」

とおっしゃっていた。

小さいころから 英語をやっている子は、母親や父親の 「英語ができる子に」という強い思いがあって 始めているケースがほとんどで 小学校に入って2年、3年になってくると 
「飽きて」くることが多い。

確かに 散々英語が実際に必要だとわかっているハズのうちの娘ですら 英語学習へのモチベーションは高くないわけで まして 普通の家庭で 海外に行くわけでも、お父さんが海外出張したり、海外転勤の可能性があるわけでもない そんな状況で 子どもたちが英語の必要性を実感するのって 本当に難しいと思う。

フィリピンでは TV番組は タガログ語もあるけど 映画は翻訳もされずに英語のままで上映されるしアメリカのTV番組ももちろんそのまま・・・情報を得るために 英語はどうしても必要なもの。でも、日本では ほとんどの映画、TV番組、本が日本語に翻訳されているし、学位論文ですら英語で書く必要がない(分野によるけど)という状況。まして 田舎の子どもの日常生活には 英語なんか AETが学校に来るときくらいしか 役に立たないわけで しかも そのAETと英語で会話をする機会もない(授業中は 活躍できるかもしれないケド)、話せたところで どうってこともないわけだ・・・残念ながら・・・

たとえば 外国の人が道で困っていたら 助けてあげられる とか そんな話だって ベースとして 困っている人がいたら なんらかの手助けをしてあげるべき、してあげたい という気持ちがないと それはモチベーションにならない。

海外旅行に子どもを連れていったお母さん(Iくんの母)なんかは
「普段、全然 やってないから 何年習わせてもダメだわと思っていたけど 実際にいってみると 現地の子どもさんと けっこう話してて びっくりしたんですよ! それから本人もちょっとやる気が出たみたい」

とおっしゃっていた。

こういうのは ほんとに大事。
フィリピンの英語キャンプに行った子どもたちは もっと話したい!って思ったみたいだし、本当に英語をマスターさせたいなら こういうチャンスは作る必要がある・・・

実際のところ・・・ お金があれば できる。 でも そりゃ難しいわ。
簡単に家族で 海外(グアムでも)行くってなかなかできないし、子どもの英語キャンプだって送りだすのはかなりのお金や 勇気が必要だ。

じゃあ、普通の家庭の 普通の子どものモチベーションは どうすりゃあげられるんですか?って話です。

日本では 今は 韓流POPSとか流行ってますが 基本的に 子どもの文化は 国内のもので十分満たされています。もちろんディズニーだのUSJだのは輸入ものですが 千葉のディズニーランドじゃ ミッキーも日本語話しますし。USJでもそうです。
韓流POPSの成功は 日本語で 歌い 日本語でコミュニケーションできたことにあると思います。もし ハングルだけなら ここまでにはならなかった。

日本は 今でも 言語的には 鎖国状態が続いている。
高い技術、文化を持っているがゆえに 「不足」を海外から補う必要がなく、補ったものも 「日本」に吸収してしまえるわけです。

じゃあ どうすんの?と・・・

はっきりいって 私もわかりません。
中には 英語好きな子どももいます。この子たちは ある程度大きくなって(小学校中学年以上) なんらかの状況で 英語を使う機会があり、自分の英語が通じた、英語でコミュニケーションできた経験を持っている。(日本で、というよりは 海外での経験が大切)
小さいうちは いくら こういう体験をしても それをモチベーションにつなげることはできないのです。なので 小さいうちは 徹底して INPUT。そして大きくなってきたら 積極的にOUTPUTの機会を設けてやることが 言語習得(たぶん一生続くであろう学習)の力になるんだろうなと思います。

だから もし あなたが 自分の子どもに 本当の英語力を身につけて欲しかったら
幼稚園以下から英語教育を始めて 子どもが小学校の4年以上になったら 英語キャンプ(海外の)や家族で英語圏(韓国とかじゃなく)に旅行にいってみてください。
それくらいの長期計画なら お金も貯められるんじゃないですか?
子どもが4年生以上になったときの 海外体験は 本当に貴重です。

何年英語を習わせても 話せるようになっているとは思えない と思っている そこのあなた!

それは あなたたちの責任かもしれません。
言語習得は 他の学習と違います。何よりも 体験すること、ヘレンケラーが言葉を得たときのような強い刺激が 子どもに必要なんです。


いつも飛行機の中、電車の中で 本を読むのだけど 特に私がずっと興味を持って自分なりに研究している学習障害、軽度発達障害を持つ子どもや大人のための英語教育について ヒントになる本が多い。
難しい用語も多いのだけど 今回とても参考になる本にゆきあたり、いわゆる障害というほどでもない「傾向」を持つ子どもにも役立ちそうな話が掲載されていた。こういう多様性のある障害について 突き詰めると個々にとってもっとも効果的な学習シラバスを構築できる可能性が高い。
私は 特に 普通の教育ではなく 英語に特化して考えられる上に 日本のスクールも少人数、マニラの学校は 大人が対象とはいえマンツーマン という環境としては 最高のものがある。

シュタイナー教育では 人間を4つの気質にわけて それぞれの気質に「寄り添うような」指導がされる。たしかに4つというのは ある意味 血液型占い並みの おおざっぱさに感じられるのだけど もちろん 個々がそれぞれたったひとつの気質をもっているわけではなく それぞれの気質をすこしずつ持っているものの どれかの気質が勝っているという解釈になる。
4つの気質のバランスを取るために 勝っている気質を抑えつけたりはしないので 子どもへの負担は少ない。
また 最近 フィリピンではいまさら注目されているマルチプルインテリジェンスという考え方もある。学校も設立されている。(わざわざアメリカのプロがきて 設立を手伝ったようだ)
日本では某予備校が 不登校の生徒のための通信教育にこのマルチプルインテリジェンスという考え方をとりいれているみたいだけど それはちょっと疑問。やはり シュタイナーにしても MIにしても生徒に直接向き合う必要があるから。てか、アメリカではもう目新しいものではないんだけどね。

シュタイナーになると 非常に 情緒的というか TVをみないとか やることがオカルトちっくとか そういうのがあって 拒否反応を示したり 逆に ものすごくのめり込む(オーガニックだ、ナチュラルだ、なんだかんだと)とか 極端な反応を示す人が多い。

でも マルチプリインテリジェンスという考え方は 親や成人の生徒本人にも説明しやすく 先生にも指導方法を伝えやすいものだから ここは、自分はシュタイナー的であるけれど MIを取るということになるだろうか。教授法として ホールスタディという方法がアメリカで 一気に広がったことがあるのだけど 日本でも このホールスタディを元に英語教育を提案している先生もいる。
端的にいうと 「桃太郎」というストーリーがあり それに国語、算数、理科、社会などすべての科目からアプローチをかけるというものだが これが 英語教育だけになると 「桃太郎」というストーリーを リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング の四技能からアプローチするということになる。
これは、非常に面白い試みなのだけど 最近の子どもは 繰り返しを嫌がる傾向が強く 「またあ」となりやすいので 飽きさせない工夫が常に必要であり、4技能すべてを伸ばす要素を含ませることができるストーリー選びもかなり大変になってくる。
マルチプルインテリジェンスの場合は、1つの科目、例えば 理科の酸性アルカリ性違いについて というサブジェクトについて 絵を描く、実験する、文献を読む、レポートを書く など 個々の子どものインテリジェンスのあり方にマッチしたアプローチをかけることになる。

違いがわかりますね?

私は 今なら軽度発達障害で 短期記憶が弱く 耳で聞いた情報の処理、記憶が難しいので あたらしくいっしょに仕事をすることになった人には 常に 「文章でお願い」しなくてはならない。初対面の人についても名前などが定着しないので メモに書く必要がある。
これを理解してくれる人はいいのだけど 「え?なんで??いちいち そんなこと」という人ももちろんけっこう存在する。でも逆にそういう人は 文章に弱いと言うか 視覚的な情報の処理が難しい人だったりするわけで こういう「傾向」への理解は いっしょに仕事をしていく上で とても重要なのだ。
家庭でも同じこと。
「何度言ってもやってくれない」
と感じたら 文字 もしくは 絵などによる 視覚的刺激や タイマーなどをつかった聴覚の刺激、もしくは、それが必要なタイミングで 「今 ゴミ捨ててきて」ということが必要なのかもしれない。
会社でも 部下やスタッフに指示が通らないと思ったら 上に立つものは アプロ-チを変えるべきだ。
なんで上司が?と思うかもしれないけれど、下のものは ルールを変えることができないし 私みたいに 自分の傾向を知っている人は 多くない。何も分からずに ただ 怠けているとか 能力不足と思われている可能性もある。どうやら自分は 音の情報だけでは ダメだと思っていても それを 堂々と 上司や同僚に 伝えられる人も多くはない。
もちろん、すぐに メモを取ると言う習慣を身につければいいのだけど、こういう傾向の人は うまくメモが取れないことが多い。それはやはり超短期記憶と言うものが弱いため、聞く力が弱いためだ。
耳で聞いて それを書くということが 弱いので 「じゃ、メモとりゃいいじゃん」というのは まったくもって通用しない。

メモをとらないから ではなく メモがとれない のかもしれない と考えるべきなのだ。雑談と指示(大事なこと)の区別がつかない(脳の中で)ということ。

子どもでも 同じことが言える。
このメモをとる ノートに書くと言うことが 拷問のように感じる子もいる。
私は 高校あたりで先生が話している内容をメモれず、板書しかうつせない ということをわかっていたので 大学の時は とにかくテキストを完璧に予習復習していた。私の場合、かなり早いうちに 「活字にさえなっていれば すべて理解できる」という自信があり、独自の速読も可能だったので できたことだけど、たいていは こういうことには気が付けない。
今は 学校でも支援教育が盛んになってきているので うちの娘の3年生でも時間割や宿題、持ち物などの詳細なプリントが毎週配布されている。
 ところが やっかいなことに!! 私の「傾向」とは 逆パターンもいるのだ。
「文字では理解できない」 聴覚優先派なのだけど こういう人の場合は 今度は 「文字ではなく」実際に 声に出して読んであげるとか 言ってあげる必要がある。
うちのスクールは 保護者への連絡はメールが基本なのだけど まったく読んでいない人がけっこういる。これは もちろんただ単にルーズというのも考えられるのだケド 聴覚優先の人なのかもしれない。

子どもの場合は こういう学習傾向の違いを「観察」(もしくは 実は 検査するものがある。でも一般的には使われていない。ADHDやアスペルガ―の診断で利用されるのがほとんど)し その子どもに合った指導をしてやることが とても大切だ。
(教える側としては 「やってらんねー」という本音ももちろんある。母親がよく観察して 自分の子どもの傾向を把握したうえで 先生に話ができれば理想的だと思うけど。)
大人の場合も お互いの「傾向」への理解は 本当に大切なことだと思う。職場ではお互いへリスペクトを表すためにも 上司、部下、同僚 はては取引先担当者まで 「傾向」を観察してほしい。
たぶん それは 究極の思いやりにつながると思うし 最高の仕事につながると思う。

私は こういうことを考えながら 「英語教育」をやってます・・・







出稼ぎ中です。

毎日 蒸し暑くてイヤになっちゃいますね。

今、オルティガスにあるEIEN POWERという日本の会社の直営校にお世話になっています。

仕事の内容は、ここではあんまし詳しく書けないんですけどね。

英語学校の中にいると こうしたらいいのに とか これは無駄やね とかいろいろと見えてくるわけですが、まあ、日本の英語学校にしても こっちの英語学校にしても うちらは 「サービス業(教育)」だってことです。

ハミングバードの場合は 子どもは生徒、保護者は カスタマーです。

こっちの英語学校の場合は ほとんどの場合自分がお金払って来ているわけで 生徒さんであるとともに「カスタマー」なんですね。
だから カスタマーサービスという点においては ディズニーやらホテルなんかの「最高のサービス」を参考にすべきだと思うんですよ。

ただね、最高のサービスっていうのは 教育の場においては 「学習成果を出す」ってことでもある。そのためには ここは生徒さんにがんばってもらわねばならないところってのもあるわけです。

このへんの兼ね合いが難しいところですね。