向こうから、車がやってくる。

 乗用車の上に人が立っていた。

 そいつはある程度のスピードにも関わらず、微動だにせずに立ったままだ。

 そいつはまだよかった。

 

 しばらくすると、大型バスがやってきた。夜行バスのような2階建ての大きなバスだ。そのバスの上にも、人が立っていた。

 しかもそいつは、バスが大きいなんて思いもしないような、大きな男だった。バスの幅が男のサイズに合っていなかったので、男は平均台に乗るかのような感じで手でバランスを取りながら乗っていた。しかしと途中で諦めて、バスの上に胡坐をかき始めた。前向きでは難しいので、横向きにしたところ、落ち着いたようだった。