「これでどうだ!?」

「くそ、なかなかやるな、ではこれを使ったら、、、」

「あ、壊れてしまった、ちくしょう、じゃあこれだ!」

「よし、これでいけるか」

 N氏は今世界中でブームが起きている「バトルタッチ」にハマっていた。自分の戦闘力を上げる事もあるが、基本は周辺の無機物を触れる事でそのアイテムが武器と意思を持つようになって、自分の命令に従う、というゲームだった。

 モンスター退治にも使うが、パズルのようにをダンジョン攻略する為にも使う。対人戦や戦争にも使える。ただ自分のレベルが上がって、さまざまな無機物を操れるようになっても、召喚する順番を間違えるとクリアできない事もあるという、パズルと戦略とRPGがくっついたようなゲームだった。

 召喚するのにも適性があるので、同様に戦士や僧侶、魔法使い、シーフという職業が存在していた。そのため一人で攻略するのは難しいイベントもあるので、ネットパーティを組んで攻略する事があった。N氏は仲間と共に行動するよりも、一人で行動する方が多かったが、期間限定イベントで知り合った友人は数人いた。

「ん?メールが来た」

「やぁ、トール。今日はすでに始めているのかぃ?悪いが、これから3時間ほど空いてないか?攻略したい洞窟があるんだ」

 俺のゲーム名はトールだった。

「ああ、今日は休みだからな、じっくりゲームをするつもりだったから、いいぜ。その洞窟はなんかいいものでもあるのか?」

「戦士適正のマジックダガーがあるんだよ。耐久性が高いから持っておくといざという時に役に立つ」

 耐久性がシビアなこのゲームは召喚して攻撃すると一度で壊れるものが多い。戦士は武器屋で武器を購入する事が多いが、あっという間に壊れてしまう。だから石ころを短剣にして投げたり、大石をハンマーに変えて武器にする事が多いが、魔法使いみたいにメモ用紙を刃に変えて飛ばしたりできないので、周囲に召喚できるものがなくなってしまうと、素手や体術の攻撃しかできなくなる。なので携帯する武器が必須だった。

 

「いいよ、でも俺にも使えるものは何かないのか?」