「湊川恭子さん、お願いがあります。僕の無実を証明してください」

男、浩二は憔悴しきった様子で私の前に座っていた。
 
私は探偵業をしている。ある刑事にもお願いされる事があるほどで、自分で言うと変だが凄腕探偵だ。名探偵と言ってもいいと思う。
 
彼はそんな噂をどこかで耳にしたのだろう。
事務所に入ってくるなり、そう言ってきた。

 

彼は、愛車であるスポーツカーが盗また。そのうえ保険金目当ての犯人として疑われているという。

 

「状況を詳しく聞かせてください」

 

私は、彼の話を遮ることなく、じっと耳を傾けた。

 

浩二の話によると、ある朝、いつも通り愛車に乗り込もうとしたところ、車がなくなっていたという。警察に被害届を出したが、すぐに容疑者として疑われ、事情聴取を何度も受けたそうだ。

 

「警察は、僕が車を売却しようとしていた形跡があると主張しているんです。でも、そんなこと、するわけがありません」

 

浩二は、両手で顔を覆い、絶望の淵に立たされているように見えた。

 

「浩二さん、ご安心ください。必ずあなたの無実を証明してみせます」

 

私は、浩二にそう告げ、事件の真相解明に乗り出した。

まず、浩二の自宅と職場を調べ、アリバイを固めることから始めた。

彼の行動パターンや人間関係を詳細に聞き取り、少しでも矛盾点があれば見つけるよう努めた。

 

次に、盗まれた車の情報を集めた。

車のGPSデータや防犯カメラの映像を精査し、犯人の手がかりを探した。

しかし、有力な情報は得られなかった。

 

捜査を進めるうちに、私はあることに気がついた。

浩二の車の盗難事件には、何か裏がある。単純な窃盗事件ではないような、不自然な点が多すぎるのだ。

 

例えば、浩二の車が盗まれた現場には、足跡らしきものが一切なかった。

また、車の鍵は、浩二がいつも置いている場所にそのまま残されていた。

 

「浩二さん、この事件、何かご自身が隠していることってありませんか?」

 

私は、勇気を振り絞って、浩二に直接尋ねてみた。

浩二は、一瞬顔をゆがめたが、すぐに打ち明けるように話し始めた。

 

「実は、少し前に、高額な借金をしてしまったんです。そのことを誰にも言えず、ずっと悩んでいました」

 

浩二は、目を伏せながら、そう告白した。

 

「その借金と、今回の事件は関係あるんですか?」

 

私は、さらに追及した。浩二は、ゆっくりと頷いた。

 

「もしかしたら、債権者が車を盗んで、私に罪を着せたのかもしれません」

 

浩二の言葉に、私は確信を持った。

彼の借金が、今回の事件の動機である可能性が高い。

 

私は、浩二の借金の相手を特定し、彼に接触した。

そして、巧みな交渉の末、犯人を自白させ、浩二の無実を証明することに成功した。

 

浩二は、私の活躍に深く感謝し、私に心から感謝の言葉を述べた。

私は、浩二の無実を晴らすことができ、探偵としての喜びを感じた。

 

この事件を通して、私は、事件の裏には必ず真実があるということを改めて実感した。そして、どんなに困難な状況でも、諦めずに真相を追究することが大切だと痛感した。

 

私は今後も、依頼人のために、真実を解き明かしていくことを誓った。