未だにブームの続く「糖質制限食」
そして最近では糖質抜くのが当たり前、それはわかりやすい主食のご飯、麺、パスタなど。
その代わりお肉やお魚、野菜、脂質類は好きなだけ食べていいと。
しかしやはり栄養学的にはあまりおススメできない食事法です。
リブログした「幕内先生」は管理栄養士ですが、
ここまできちっとこの食事療法を否定して世の中に発信されている方は少ないと思います。
栄養の専門家だからこそ言えることだと思いますし、本来は管理栄養士がそれは危険!と言うべきことなのではないかと改めて思いました。
私としましても、当初から怪しいというか、幕内先生もおっしゃっているように糖尿病や肥満症など疾患により血糖のコントロールや減量のために糖質制限を必要とされる方もいらっしゃいます。
ただし、病院では「全く糖質を摂らない」という食事を出しているところは少ないのではないかと思います。
私が勤務していたリハビリ病院でももちろんそんな極端な制限をしたことはありません。
が、ある糖尿病が既往にあり、脳梗塞後に入院された40代の男性の患者さんで糖質制限をされていた方はご自身の判断でごはんやパンを食べずにいたこともありました。
その割には小太りで、血糖もそこまで安定しておらず、入院中もこちらの食事をそのように食べたり食べなかったりして、外泊許可が出て家に帰られたときには「ケンタッキーフライドチキンをいっぱい食べてきた」と自慢気に話してきました。
入院中もごはんを食べないからお腹がすくので(当たり前ですが)結局「何かカロリーの低い物を食べたい」などと言って、低カロリーの飴などをなめていました。
それでも月1回の血液検査でHbA1cを確認してもあまり変化がなかったりして、「なぜなんだ~」となってました。
だから…こっちの言うとおりにまずは食べてもらえませんか?と言って、ようやく退院前にご飯を食べるようになった気がします。
その代わり間食なしです。
その後退院されたので、どうなったかわかりませんが…(外来がないため確認できず)
それでもこの方は糖尿病の既往があり、更に既に動脈硬化で脳梗塞になり、食事療法が必要な方ではありましたが、
一般の方はなぜそこまで糖質制限したがるのでしょうか?
ダイエットに向いている。早く結果が出る。
確かにそうですね。だって、食べている量が全体的に少ないですからね。そりゃ痩せるでしょう。
以前糖質を食べていた分のカロリーをすべてタンパク質や脂質に変えたらどうでしょうか?そこまで計算されている方いるのでしょうか?それこそ本当の糖質制限食です。
ただ、主食のご飯、パン、麺類を抜かしたらそれはただ食べる量を減らしただけで、糖質制限とはいいません。
そして素人目線で糖質制限(と敢えて言いますが…)し、その後どうなるか。まだ症例が少ないのであまり公にはなっていませんが、もしからしたら水面下で厚労省やどこかの教授が調査しているかもしれませんね。
でもそのような結果が世の中に出る頃には間違った方法で身体に悪影響を与えている方が多くなっていて、もしかしたら取り返しのつかないところまで来ちゃっている人が多くなっているかもしれません。
とにもかくにも、私たち日本人が先祖から受けついだ身体は穀類を中心に生き延びることができるような遺伝子が組み込まれています。
戦後に欧米の食事をするようになって、当時成人病と言われる現在の生活習慣病が増えたと言われています。
更に糖質制限…食べられるおかずが増えた贅沢な食事法とも言えますね。以前はおかずも選べるほどなかったですから。お米でお腹を満たすしかなったですからね。
とにかく、特に若い方、成長期の方はとにかく制限する必要はないです!制限するならお菓子類とかアルコールを制限してくださいね。
食べる量と動く量のバランスを考えてください。
動く方は主食を抜けば身体がもちません。突然倒れたり、疲れがとれないこともあるかと思います。
あと、この件に関しては医師に聞くより是非管理栄養士の意見を聞いていただきたいと思います。
通院されている方、管理栄養士の栄養指導を受けられている方は是非、医師より管理栄養士の指導内容に耳を傾けていただければと思います。
いくら医師とはいえ、栄養に関してはご自身の考えに偏っている方、あまり気にせずに流行っていて自己責任でやっているならOKと思っている方も少なからずいらっしゃいます。
なので、管理栄養士が医療の現場で食事に関する詳しい情報をみなさんにお知らせしているのです。
私たち管理栄養士も世の中の流行りにまけずに本当に正しいことを見極めないといけないと改めて思いました。
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