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第91話 真っ二つ

「おっと、それはまた・・・。」


「はい。今回、宿題が出されたとき、最初に浮かん

だのがそれだったんです。」


「ほう。それでどうなりました?」


「捨てちゃいました。ビームサーベルで(笑)。」


そう言った彼女の顔は、憑き物が落ちたようにすっきりとしていた。


「どんなイメージで斬りました?」


「ビームサーベルを両手で持って、宙に浮かんで

いる手紙を思い切り真っ二つにしてやりました

そしたら、手に持っていた手紙も自然にビリビリ!と。」


「なるほど。気分はどうでしたか?」


「そうですね・・・、解放された、という気分でしょうか。」


「囚われてたんですね。」


「そうだったみたいです。で、実は、もうひとつイメージ

したんですよ。ついでに元彼も真っ二つにしちゃえ!って。」


「彼まで!(笑)。やってしまいましたか・・・。」


「ええ(笑)。ホントに。でも、こんな風に思えるなんて。」


「それはよかった。これからも決断できそうですか?」


「はい!決断するのって少し楽しいかも、なんて(笑)。」


今日はよく笑う。本当に心が軽くなったのだろう。


人の笑顔を見るのは気持ちがいい。こちらまで心が

軽くなってくる。


「ああ、でもあんまり人は斬らないでくださいね(笑)。


ひとつ、人への未練を断ち切りたいときのコツをお教えしましょう。」


続く・・・


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第90話 捨てられない手紙

ノックの後、勢いよくドアが開いた。僕は笑顔で

彼女を迎えた。


「こんにちは、水島さん。」

「こんにちは! 先生、すごいです!」


どうしたことだろう。あいさつもそこそこに、

彼女が喋り始めた。

「ど、どうしました?」

「あ、すみません。宿題のこと早く言いたくて。」

なるほど。そういうことか。

「その様子だとうまくいったんですね?」

「はい。ずっと迷ってたことがあったんですが、

それに使ってみました。」


今日は生け花教室はお休みだったらしい。

花の包みの代わりにブティックの紙袋を3つも下げている。

「どんなことです?」

彼女は、イスに座るやいなや身を乗り出して話し始めた。


「実は私、ずっと捨てられない手紙があったんです。

捨てなきゃ捨てなきゃって思いながらもなかなか

捨てられなくて。」

「ほう、何か思い出の手紙だったんですか?」

「元彼からもらった手紙です。」



続く・・・・・

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第89話 決断の武器

「そうです。今回は、選択肢の最有力候補が自分の
中で決まっているとして、どのように決断するか、を
お教えします。まず、ロボットアニメを思い出して
ください。ビームサーベルという武器があったのを
覚えてますか?」

「剣みたいなやつですか?」


「そうです。あれを使います。とてもカンタンですよ。

イメージの中で、ビームサーベルで他の選択肢を

真っ二つに切るだけですできるだけ勢いよく切って

みてください。」


「それが決断することに?」


「バカにしてますね(笑)。私はマジメに言って

るんです(笑)。やればわかりますからやってみて

ください。


それが今日の宿題です。何か決めるときに、

ビームサーべルで、決めた選択肢以外の選択肢を

すべて真っ二つにしてみてください


他の選択肢を捨てるために切り落とすんです。


そして、すぐに決めたことを行動に移してみて

ください。


外食でメニューを見て迷ったときとか、とにかく

どうしよう?と思ったらやってみてください。

アニメで見た、敵をばっさり斬ってしまうあの感じを

頭の中で感じてみてほしいのです。イメージが

難しければ、音も映像もマネしてみてくださいね。」


「はい。わかりました。」


「それを踏まえて来週は、行動力をあげていきますからね。」


そう言って僕は笑顔で彼女を送り出した。


さて、一週間の間に、彼女は何をビームサーベルで斬るだろう。
意外と大物を斬ってくるかもしれないな。

日差しは傾きつつあったが、一人になった部屋は、まだ暖かかった。


続く・・・・・