(はじめてこのブログをご覧になる方は、第1話 よりお読みください。)
第120話 レントゲンに写る癌
「武くんに、引きこもりから立ち直るために
どんなアドバイスしたんですか?」
涼子は、聞きたいことだけ聞いてさっさと帰ろうと
切り出した。
「アドバイス? 引きこもっている人がアドバイス
なんて聞くんでしょうか?」
逆に質問されて涼子は一瞬戸惑った。
「じゃあ、どうして・・・」
「例えば、あなたが癌に侵されているとしますよね?」
「はあ。」
「まだ小さな癌です。」
「・・・。」
また、何を言い出すんだ、と涼子は心の中で思った。
「それに気づかず放っておくと、どんどん癌が広がって
いきます。そして、手遅れになる・・・。
しかし、癌が小さいうちにレントゲンで癌が見つかったら
どうしますか?」
「治療してもらいます。」
「でしょう? 人間は、自分の状態がはっきりわかって、
このままだとヤバいって、ほんとに思わないとそこから
脱出しようと思わないんですよね。」
「そうですね。」
「私は、彼の状態を、彼に見せてあげただけなんです。」
「いったいどうやって・・・?」
続く・・・・・・