(はじめてこのブログをご覧になる方は、第1話 よりお読みください。)




第46話 “唯一の希望”



志保子:「それでは、300万円の売り上げを
あげるプランを考えてきますので、1日だけ
待って頂けますか?」

浅井:「え!?あ、ああ、いいけど。プランって・・・
大丈夫なの?」

(引き下がらなかったか。)

浅井はとまどったが断る理由がない。


志保子:「も、もちろんです。」


プランなどあるはずもなかったが、彼女は、
唯一の小さな希望を持っていた。

(せっかく会社を辞めてまで、ここで働くチャンスを
手に入れたんだから、最後まであきらめたくない。)


その日の仕事を終え、定時になると、志保子は
オフィスを出たところで携帯電話を取り出した。

あたりは夕暮れどきで、ビルとビルの間に、
黄金色の夕焼けが鮮やかに見えていた。


志保子:「たく兄ちゃん、こんにちは。志保子です。」


電話の相手は、 いとこの佐々木拓郎だった。

小さいころよく遊んでくれた拓郎は、
30歳にして会社を3つ経営する青年実業家だ。


拓郎:「おお!志保子か。どうした?」

志保子:「うん。ちょっと相談にのって欲しいことが
あるんだけど・・・。」

拓郎:「相談? 恋愛相談か?」

志保子:「いやだ、もう。仕事のことよ。できたら今日
お願いしたいんだけど・・・。」

拓郎:「お、急だな・・・。じゃあ、今からこっち来いよ。
会社にいるから。近くで飯でも食うか?」

志保子:「時間大丈夫?」

拓郎:「時間は作るもんだ。」

志保子:「ありがと。じゃあ、今からそっち行きます。」

拓郎:「おう。」

志保子は、電話を切ると、急いで地下鉄の帰宅ラッシュの
中へと消えていった。

続く・・・・