愛:「白衣を着るのは、気持ちをドクターモードにするためなんです。」
志保子:「ドクターモード。」
愛:「ええ。私たちカウンセラーやコンサルタントは、職業柄、
特に高いセルフイメージが要求されるんです。
なぜなら、クライアントの性格や相談内容によっては、
暴言によって傷つけられたり、かわいそうな話に感情的に
流されそうになったりすることがあるから。」
志保子:「いろいろな人がいますもんね。」
愛:「だから、医者の先生のように、共感しながらも
常に冷静に、適切な対応ができるように、
ドクターモードに入るんです。」
「医者」という言葉を聴いた瞬間、志保子の頭に、
(白衣を着たときの感じを覚えておいて。)
という愛の言葉が浮かんできた。
志保子:「あ!私が白衣を着たとき落ち着かなかったのは、
お医者さんが着る白衣を着ることに違和感を感じていたから
ですね?」
愛:「そのとおり!イメージって面白いですよね。言わなくても、
白衣イコール医者の先生って無意識に浮かんでくるんだから。」
志保子:「ほんと。」
愛:「もう一つ面白いのは、逆に、白衣を着るのに慣れていくと、
振る舞いがだんだんそれらしくなってくるんですよ。」
志保子:「女の子が、着物を着たらおしとやかになるように・・・
ですね?」
愛:「そう!お笑い芸人もそうよね。お笑いの人がカブリモノを
かぶっているとき、そのキャラになりきってる。
まるで自分のイメージを一瞬にして変えるスイッチみたい。」
志保子:「面白いですね!こちらでは、それを仕事に役立つ
よう応用してるんだ。」
愛:「このオフィスでは、全てのことが、仕事が楽しくできる
ように考えられているの。」
志保子:「そんな職場ばかりだったらいいのに・・・」
志保子は、前の職場を思い出して目をふせながら言った。
愛:「うん。そう言う人は多いかな。でも、環境だけの問題じゃ
ないんですよ、仕事が楽しくなるのは・・・。ここのオフィスの
もっとも特徴的なところは・・・」
続く・・・