(はじめてこのブログをご覧になる方は、第1話 よりお読みください。)


第10話 本末転倒



涼子:「所長の今のあだ名は、アーサーよ。」


志保子:「えっと・・・、そんな俳優さんいたからしら?」


涼子:「所長の名前はなんだったかしら?」


志保子:「・・・・・・えっと、あ、浅井 貴文さん。・・・あっ!?」


涼子:「ようやく気づいたわね。何のひねりもないあだ名よ(笑)。
もう飽きたみたいだったから、私たちがつけたのよ。」


志保子:「ああ。」



志保子は思わず苦笑いした。涼子は、志保子の心がわかるかの
ように続けた。


涼子:「あだ名、けっこう適当につけてるんだなって思ったんでしょ?」


志保子:「・・・・・・・いえ(笑)」


志保子は、思わず見透かされて口ごもってしまった。


涼子:「自分を良くしようとして、完璧を目指して、
現実とのギャップに苦しんでる人
って結構多いのよ。
でもね、時にはいい加減でいいの。だって、一番の目的は
完璧になることじゃなくて、幸せになることなんだから。」



涼子は、やさしく微笑みながら、まるで自分の子どもに諭すか

のように言った。



浅井:「その通り! 自分を良くしようとして返って自信を失って

いく。本末転倒になっては何の意味もないからね。」



別室にいた浅井がいつの間にか会話の輪に入ってきた。


浅井:「自己紹介終わったかな? では仕事に入ろう!」


涼子、健治、愛:「はい、アーサー(笑)」