(初めてご覧になる方は、第1話 からご覧ください。)


第2話 断れない提案



突然の「助手になりたい」との申し出に断る理由を探した。


「助手って言っても、うちの研究所は少数精鋭でやってて、

今は足りてるから、求人出してないんですよ。」


何とか、無理やり理由を見つけて切り出した。

下手に期待されて来てもらってもお互いにとって

よくない。


「わかっています。給料くださいなんて、言いません。

ボランティアでいいので、ぜひ先生のそばで勉強させて

頂きたいんです。」


「でも、水島さん、生活はどうするんです?」


「それなら大丈夫です。知り合いのお店で夕方から

夜にかけて仕事できることになってますから・・・。」


まさか夜の商売・・・。一瞬変わった私の表情を察して

彼女は続けた。


「パソコンの打ち込みの仕事があるんです。それに、

就職してからずっと貯金をしてきたから結構たまってて、

生活は十分やっていけるんです。家は実家だし・・・」


「確かにうちは、仕事を楽しくする研究をしていて、

楽しく仕事ができるように見えるかもしれませんが、

正直、甘くはないですよ。真剣なクライアントに日々

向き合うわけですから。たくさん勉強しないといけないし。」


「では、こうしてはいかがでしょう?

私に1週間だけお手伝いさせてください。

雑用でも何でもしますから・・・。

もしご迷惑なら、即刻解雇して頂いても

結構ですから・・・。」


ここまで本気とは・・・。でも、1週間すれば、

そんなに甘くないことがわかるだろう。


「わかりました。明日から来れますか?」


「はい、もちろんです!ありがとうございます!」