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ちょっと暖かかったので、mocoを公園のベンチに乗せてお話しをした。
5日に折角お誕生日迎えたのに。。
病院に行ったら、血液検査の結果が出ていて、
獣医が「リンパ球のガンが見つかり、治療しないと二カ月だ」そうだ。
犬とコミニケーションがとれない目の前の若い医者に任せて良いものか考えたが、
病理学的に言ってることは間違いない。
私はベンチで娘に話した。
「mocoは難しい病気になっちゃったんだよ。」
mocoは私の傍らで聞いていた。
「ほっておいたら、mocoすぐにお星さまになっちゃうんだ」
mocoは何かいつもと違う雰囲気を察していたようだ。
「少し辛いけどガン治療しよう」
moco は何も言わなかった。
私の傍らでただいつものように口を少し開いてハアハア言っていた。
「パパはもっとmocoと一緒にいたいんだよ。」
「人間の世界では、やっちゃいけないことが二つあるんだよ」
私は昔舞台でのセリフを想いだしていた。
「一つは人を殺めること。二つ目は、親より先に死んではいけないってことだよ」
「mocoはパパの娘だろう。だから先に死んじゃダメなんだ」
涙がとめどなく溢れてきた。
mocoはそのことに気づいたのか、静かにパパの顔を舐めてくれた。
こんなところで泣いていいのだろうかというくらい泣いた。

