【巨人軍は永久に不滅です】長嶋茂雄終身名誉監督に捧げる。 | humanskill-blogのブログ@

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永遠のミスターに捧ぐ — 長嶋茂雄さんを悼んで

まだプロ野球にダブルヘッダーがあった、あの熱狂の時代。
私は少年だった。野球のルールさえあやふやで、ただ憧れと興奮に身を任せていたあの頃。
巨人軍のロッカールームという、まさに夢の舞台に立つ機会を得たのは、うちの父の会社で経理をしていた村山のおばさんのおかげだった。どういう経緯かはわからないが、後楽園球場の巨人エリアはフリーパス。
あのときは、野球が好きというよりも、一冊の本『川上哲治物語』に影響を受けて、当時の監督だった川上さんに心酔していた。

テレビの向こうでしか見たことのない選手たちが、汗と湯気に包まれながら目の前を行き来する。


そして、ついに現れた——一際まばゆいオーラをまとった男。
長嶋茂雄選手だった。

誰よりも華があり、誰よりも人の心を掴む。それが“ミスター”長嶋だった。
その存在感は、少年の私にとって、まさに野球そのもののように思えた。

川上監督が風呂上がりにおばさんと親しく言葉を交わし、私を紹介してくれたとき、私は縮こまりながら、持参した色紙を差し出した。


「おれでいいのか?」と笑って真ん中にサインしてくれた川上監督は、周囲の選手たちにも「サインしてやってくれ」と声をかけてくれた。

長嶋、国松、土井、柴田……
今では夢のような“寄せ書き”になったその色紙の中で、あのなんでも一番でなければ気が済まなかった長嶋選手が、川上監督の横に静かにサインした姿が忘れられない。

その日を境に、私は長嶋茂雄という存在に惹かれていった。
テレビの前で、その独特な立ち居振る舞いや話し方を真似しながら、友人や家族に語るようになった。


やがて時代は移り、川上監督が引退し、長嶋茂雄が“監督・長嶋”として新たな物語を紡ぎ始めた。

長嶋さんは、私たちの青春だった。
いや、長嶋さんがいるからこそ、あの時代は輝いていたのだ。
勝敗だけでは語れない感動、記録よりも記憶に残る瞬間。
あの人の背中は、野球の未来を背負っていた。

もう一度だけ、あの笑顔でバットを振る姿を見たかった。
けれど、今はただ静かに手を合わせよう。

ミスター、ありがとうございました。
あなたは、永遠に私たちのヒーローです。

合掌。