今日も寒かった。
冬の朝。冷たい空気が頬を撫でる。 モコは土の地面を楽しんで歩く。
今日は、いつもと違う場所へ。 見慣れた街の喧騒を抜けて、大通り公園へと足を運んだ。 広がる芝生、穏やかに揺れる木々、そして澄んだ空気。
都市の中に、こんなにも美しい場所がある。 コンクリートに囲まれた世界の中で、 公園という名のオアシスが、命の息吹を奏でている。
都市が変わるなら、どうか公園を。 人が集い、自然が息づく場所を増やしてほしい。 新しい建物ではなく、安らぎの木陰を。 広がる駐車場ではなく、花の香る小道を。
だが、遠くを見やると、 きらきらと反射する無数のパネルが目に入る。 太陽の恵みを受けるはずの場所に、 広がるのは無機質な太陽光パネル。
これが、未来への道標なのだろうか。 光を集めるはずが、大地の緑を奪ってしまう。 風にそよぐはずの草原が、 冷たいパネルの下に隠されてしまう。
モコがふと立ち止まり、私を見上げた。 「この場所、好きだね」と言うように。 「そうだね、モコ。」自然とともに生きることこそが、本当の豊かさなのかもしれない。
モコもそろそろお歳。 白くなった毛並みを撫でながら、 犬と共に過ごす日々の愛おしさを噛みしめる。 共に歩き、共に感じる時間。 犬もまた、人と同じように自然を愛している。 冷たい風に耳を傾け、草の匂いを嗅ぎ、 静かに流れる時間を楽しんでいる。