1968年7月25日『週刊平凡』
しっかり勉強して来いよ
【以下は記事全文】
しっかり勉強して来いよ
サリーの実弟四郎クンがアメリカで音楽修行

「兄貴たちは、あまりいそがしゅうて、勉強するひまもないのがかわいそうですわ… それで僕がかわりにできるかぎり勉強してくるつもりです。責任重大ですわ」と四郎くん。タイガースのメンバーにはげまされて大テレ―。
フジTVスタジオにて。


身長は一八五センチ、サリーよりも五センチも長身――「背たけだけは、向こうに行っても自信あります」と四郎くん。

「僕の音楽狂は兄貴も驚くほどなんですけど……でも、実際に本場の音楽を見聞してこないことには、ほんまにえらそうなことはいえません。そうおもうたらメチャクチャに行きとうなってしもうて……」と、アメリカ行きの心境を息をはずませて語る、ザ・タイガースのサリーの実弟・岸部四郎くん(19歳)。
七月十四日、横浜港より貨物船で、音楽の“武者修行”に旅立っていった。
ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨークとまわり、フォークソングからリズムアンド・ブルース、ジャズを本場のテレビ、ステージ、ジャズ喫茶で、がめつく肌で感じとりながら勉強してくるという。
費用はすべて先輩や友だちのカンパ。タイガースのメンバーたちにもカンパしてもらった。そのかわりアメリカのGS界の最新ニュースをどんどん送るそうだ。
「大いに期待しているぜ ガツガツしないで、自然にいろんなものを吸収して来てくれよ……」とタイガースのメンバーにはげまされる四郎くん。
六か月後、日本へ帰ってきた時のみやげ話が楽しみだ――。
【了】