1968年2月8日『週刊平凡』
南部鍋
【以下は記事全文】
南部なべ
「これ、山賊なべ……」「いや、この衣装は大名のものだよ」
4日、盛岡市の宿で出されたなべ料理を前に、メンバーはけんけんガクガク…。白菜、かき、にんじん、シイタケ、豚肉、豆腐、それにタラの子を材料にしたこの南部なべにたのしい晩さんのひとときをすごした

一面に雪化粧をした松島は、夏とはかわった美しさが……
二月二日から三日間、ザ・タイガースのメンバーは、東北巡業に出かけた。石巻、盛岡、仙台での公演は、いずれも超満員で、会場に入りきれない観客が外にあふれるほどだった。
“みちのくの京都”といわれる盛岡では、名物のわんこそばや南部なべをかこみ、石川啄木が、不来方のお城の草に寝ころびて 空に吸はれし十五の心 と詠んだ盛岡城跡にあそんだ。また、四日は、トッポの誕生日とあって、仙台県民会館でファン三百名を迎え、にぎやかに誕生パーティを開くなど、みちのくの情緒を満喫したこんどの公演だった。
【了】