株式会社ヒューマニティー広報チームです。

本日はおススメの「書籍」をご紹介いたします。

 

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ヤングケアラーという呼称はこの本で初めて知ったのだけれど、そういう子どもは

ずっと前から知っていた。家庭のなかで介護役を担い、つきっきりで高齢者を世話したり、

炊事や洗濯に追われたりしている子どものことだ。介護を優先してしまうため、

学校では「さぼる子」「だらしない子」と評され(実際は正反対なのに! )、恥ずかしい思いをしている。

わたしはかつて地域の学習塾で長いこと働いていて、こういう子を何人も見てきた。

澁谷智子『ヤングケアラー 介護を担う子ども・若者の現実』は、以前から存在しているのに

誰にも注目してもらえなかった存在に光を当てた。こんな理由で進学をあきらめる子がたくさんいるんです。

ヤングケアラーは、学校ではもちろん、ときには家庭のなかでも孤立していく。

自分の担う役割が重すぎることを人に伝えるすべがないのだ。勇気を出してしんどさを訴えたのに、

単なる不平不満だと思われる。そういう体験をすれば絶望して、本当のことを誰にも言えなくなる。

また、「介護は施設に頼めばいい」とか「人の世話より自分の人生を大切にしなさい」といった

無責任で心ない助言も、彼らの重荷になる。「大切な家族の世話が優先か、自分の人生が優先か」という

残酷な二者択一を、自己責任で決定せよと迫ることになるからだ。

人を追いつめるのは孤立と断絶。それは介護や家族の問題にとどまらない。

「話せる回路」を確保しよう。そして死守しよう。

[レビュアー]渡邊十絲子(詩人)

新潮社 週刊新潮 2018年7月5日号 掲載

 

引用: https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180709-00555200-bookbang-soci.view-000