鎮守の森
花野を渡る風が、どこからか秋祭りのざわめきを運んでくる。鎮守の森に子供たちの笑い声が響く。
鎮守の森、先人たちの自然への畏敬の念が培ってきた大きな遺産である。
人間たちの際限のないエゴにより、自然界のバランスが崩れる時、自然は容赦なく人間界に牙をむく。
自然界の法則には、管理やコントロールを怠ると、何故か一定方向へ向かう方向性があります。混沌、無秩序へと向かうあの「エントロピー増大の法則」です。
東京都庁の最上階展望室から東京が360度一望できる。灰色のビルが林立し、視界の中に緑は殆ど見えない。
眼下に、明治神宮が見下ろせるが、ここだけぽっかり鬱蒼とした森が広がる。
時の先人達が100年先を見据えて植樹した鎮守の森である。先人達の叡智により明治の森は残ったが、その時代が掲げた教育や志は置き去りにされ、民主党政権は、国が見据える明日の大きな夢までも示せないでいる。
キリマンジャロの万年雪、北極の氷河が溶け、今、地球環境の破壊は重大な局面に置かれている。植物生態学者の宮崎 昭氏は、人間が生存して行くために森を切り開き、土地を開墾し、劇的に環境を変えて来た、という。
森は自らの内に、循環再生能力を持つが、その生命の循環能力を超えた環境破壊が、その土地本来の自然植生(その土地の大初から植生していた植物)を乱し、自然のゆり戻し(台風、地震等の自然災害)に耐えられずに洪水、山崩れ等が起きている。
かって我々の祖先は、いのちの森、ふるさとの森として「鎮守の森」を創生してきた。自然の森自らの循環再生能力は、太古より、我々の命を育み守ってきた。
宮崎氏は、「緑と付き合って50年、世界中に3000万本の木を植えて、台風にも、地震にも、火事にも強い、命を守る本物の森(太古よりその土地jに自生している自然植生の森)を創ってきた」、見事に自然の命の森を再生して来た。
1992年リオデジャネイロで行われた環境サミットでは12歳の少女、セヴァン・スズキの伝説的演説と、キューバ革命の英雄、フィデル・カストロ議長の演説が万雷の拍手を受けたという。
「世界の環境破壊の元凶は消費社会である。世界の人口のわずか20%の人間が、世界全体が生産する金属資源の3分の2とエネルギー資源の4分の3を消費している」
「大国の利己主義、覇権主義による石油やウランが熾烈な奪い合いの中にある。」
「ずっと以前にやっておくべきことを、明日やろうというのでは遅すぎる」と訴えたという。
明日どころか、20年の時が過ぎた。世界も日本も未だその禍根の唯中にいることを忘れてはならない。
米国の経済封鎖を受け、決して豊かではないキューバが、国際社会へ400人を超える医師団を派遣していると聞く。
フィデル・カストロ議長の、世界の地球環境への警鐘、さらに国民と国際社会へ貢献する実践哲学に驚愕する。 脱帽である。
参考図書
- あなたが世界を変える日―12歳の少女が環境サミットで語った伝説のスピーチ/セヴァン カリス=スズキ
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