「足るを知る」、脱原発 | humanite88

「足るを知る」、脱原発

地球の環境保全と取組み、足るを知る暮らしを選択した賢明なる国がある。


 世界のグローバリズムと一線を画し、インドと中国に挟まれたヒマラヤの麓にチベット仏教を国教とする王国、ブータン王国である。

 

昭和天皇崩御の際、大喪の礼に参列、喪に服して頂いた親日国である。

 今、この国は、国民総幸福量(GNH)という独自の国家戦略を打ち出している。

 「ブータン流国家戦略」

 1)道路と電力の開発

 2)教育、医療の無料化

 3)功利主義経済学批判

 4)グローバリズムへの警戒

 5)自己啓発と伝統文化の維持

 6)自然環境の保全

 7)足るを知る仏教経済学の尊重


  「足るを知る」、かって日本人が持っていた暮らしの知恵である。 今、日本人は、繁栄と飽食の時代にあって、かっての「小欲知足」なる暮らしを忘れた。

 

「日本では
    おにぎり一つぐらいと そまつにし

  インドでは
    おにぎり一つこそと おがむ」
 
 (株)サイボク代表取締役、笹崎龍雄会長が紹介する牧師の河野進さんの「どちらか」と題する詩である。
 
 さて、どちらが幸せであろうか、と問いかける。
 
 多くのもののいのちを頂戴して生かされているので食膳に感謝の合掌は当然だという。

 

「小欲知足」とは「欲を少なくして、足るを知る」という消極的生き方ではなく、「小欲知足」から「小欲満足」の気持になることができれば、迷いがなく、何事にも感謝する心が生まれる、と会長はいう。


 これこそ、人と地球の健康に相通じることではなかろうか。

 笹崎会長は90才を越えて尚矍鑠として、サイボクハムの経営と全国講演に多忙な方である。


 100年に一度の国難に立ち向かうべく、賢い民の見識と判断が問はれている。
 
 日本の深刻な原発事故から見て脱原発は道筋としては正しいが、ドイツ、イタリアの脱原発運動は、その先にある世界の潮流の全体を見ていない。


 ドイツもイタリアも、不足電力の80%は、フランスから輸入しているという。フランスの電力は原発で発電したものだ。これでは自国の都合のみつじつまを合わせるご都合主義、国家エゴイズムの極致だ。

 

日本の反原発を唱える共産、社民党の理屈も全体を見ぬうわべだけの反対運動だ。原発被害の救済、安全対策、代替エネルギー等の全体を現実に解決できる反対でなければならない。

 

原発停止の電力不足で、日本国内での生産活動は難しくなり、工場の海外移転が避けられないという。日本のものづくり立国が脅かされる。雇用は確実に減少する。日本経済を暗転させてはならない。


 民主党が掲げる「生活第一」、「命を守りたい」は、原発停止では遂行できない。電力不足がもたらす脱原発の先にある産業空洞化に対処し得る大きな構想図を確立させねばならない。


脱原発の先にある大きな構想図と現実に有効な手立てを早急に確立せねばならない。 その上での脱原発である。