チェンジマネジメントのツールとしてのストーリーマップ(3) | (株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ

チェンジマネジメントのツールとしてのストーリーマップ(3)

さて、前回は、企業が成長してゆくためには「継続的な変化」が必要であると説明しました。そしてその変化に対して、社員のモチベーションの低下や生産性の低下を極力抑える、様々な取り組みがチェンジマネジメントである、ということはご理解いただけたのではないでしょうか?

ストーリーマップはそういった意味でのチェンジマネジメントの効果的なツールとして存在します。なぜストーリーマップが効果的なのか?このことを説明するために少し具体的な例をご紹介します。

私は以前、ある農薬の外資系メーカーに人事部長として勤めていました。その会社は、2つの大手外資系製薬メーカーの農薬部門が本体からスピンオフして対等合併した会社でした。海外ではこの2社の合併だったのですが、日本では新たに営業部隊を持つ必要性から、日本の販売会社もいっしょに合併したのです。つまり、3つの異なる企業文化を持つ会社が、一つの新しいグローバル企業としてスタートしたのです。

人事部長として私がやらなければならなかったことは多岐に亘りました。採用制度の整備、人事制度の統一、業績評価の制度(実はこの制度はグローバルの移行に沿ったもので毎年変更になった、新しい給与制度の導入、グローバルのトレーニング等々でした。

わずか2年ほどの間にこれだけの変化が次々と起こるわけですから、人事の担当である私にとっても大変な変化の連続でしたし、人事の専門家ではない社員にとっては、「何でまた変えるのか?もういい加減にしてくれ~」というのが偽らざる気持ちだったのではないでしょうか?

勿論人事部長としての私には、なぜこういう変化が必要なのか、これからどういう変化が起こるのか?などについて社員に説明する義務がありました。このときには、まだストーリーマップの事は知りませんでしたから、できるだけその都度その都度に説明はしましたが、十分に理解を得られるとは思えませんでした。また、同じ説明するにしても私が説明する内容と、人事の部員が説明するときには微妙に内容がぶれることもあり、後で、再度私が説明をするといった、非生産的なこともありました。

ストーリーマップは一目で変化の全体像がわかるため、社員にとってはあらかじめ変化を予想でき、起こりうる事態に対して対応できるよう気持ちの準備ができるのです。