言葉は、それを発した人に最も強く作用する | (株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ

言葉は、それを発した人に最も強く作用する

先週に引き続いて今週も、コミュニケーションの原則の話です。原則の2番目は「言葉は、その言葉を発した人に最も強く作用する」と言うものです。

私たちは普段何気なく「言いだしっぺ」とか、「言ったものが責任を取るべき」ということを言ったりします。これは何を意味しているのでしょうか?

これは私たちが何かを表現するために、言葉にして言う場合、言った本人のほうが、聞いてる人よりも、より強くその内容についてこだわりがあるということです。

例えば、AさんがBさんに対して、素晴らしい話をしたとします。Bさんはひどく感動して、その話をCさんにしたとします。

最初、BさんがAさんから話を聞いたときにはBさんは感動はしているものの、自分が主体性を持った立場ではありません。しかし、BさんがCさんに話をした時点では、Aさんの話はBさんの解釈と感情が入った話になっていますから、Bさんがいろんな人にこの話をすればするほど、Bさんの思い入れは強くなってゆきます。これがコミュニケーションの2番目の原則です。

以前、私はある会社の社長様の講演で、その人がファックス工場の工場長時代の話を聞いたことがありました。テーマは「人は変わる」か何かだったと思います。

その工場は新しい工場で、人手が足りなかったため、他の工場の工場長に頼んで、人員を送り込んでもらったそうです。残念ながら、その方々は他の工場では成果の上がらなかった人たちだったそうです。

ある日、大きな受注の話が入ったため、工場長が内部の関係者を呼んでいろいろと検討したのですが、どうしても生産計画が納期に間に合わないという結果になったそうです。

工場長はこの受注をあきらめる決心をして、そのことを工場で働く人たちに説明したところ、誰かが「工夫すればできるんじゃないですか?」といってくれたそうです。そして他の人たちも「何とかできるはずですよ」ということになり、受注の話を受けたそうです。

しかし工場長としては本当に納期に間に合うのかとても心配だったそうなのですが、1週間たって驚いたのは「他の工場からきた人たちが、たった1週間で一流の社員になった」ことでした。

もちろんみんなの努力で納期は守れたそうですが、この話はまさに「人は自分たちが自ら言ったことには責任を持つ」、つまり、「言葉はその言葉を発した人に最も強く作用する」ということの表れではないかと思います。