ロールモデルとは(その4) | (株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ

ロールモデルとは(その4)

先週、企業の組織文化、いわゆる組織風土は「目に見える」文化である。という表現をしましたが、いったい文化が目に見えるというのはどういうことなのかを考えて見ましょう。

簡単な例が、社員あるいはそこで働いている人たちが「イキイキ」して働いているということを考えて見ましょう。

イキイキしているという事を、なぜ私たちは感じ取る事ができるのでしょうか?

それはそこで働く人たちの「応対の態度」「社員同士の活発な意見交換」「声の元気よさ」「会話から理解できる、ものの考え方」など、私たちが実際に目で見たり、言葉などで感じ取っていることをまとめて「イキイキ」していると表現しているからなのです。こういった雰囲気が企業文化であり、この企業文化に入ってゆくと「人の行動は、そこの会社が持っている企業文化に変わってゆく」のです。

もう一つ簡単な例を考えて見ましょう。

ある会社は業績も安定していて歴史も長く、終身雇用を貫いている会社だとします――ただし顧客満足度は低い――。給与は年齢級に占める割合が高く、ボーナスは勤続年数に応じて高くなる、また、上下の関係は厳しく下からの意見が採用されるには承認のハンコが10個以上必要で、その結果最前線で働く社員の声は届かない、といったタイプの会社に大学を出て意欲に燃える社員が入ってきました。

この人は最初いろんなことにチャレンジしたいと思って入社しましたが、社内で行動を起こそうとするたびに、周りの先輩社員から「どうせ上の人がダメっていうから言っても無駄」「そんなことをやったって給料は上がんないよ」あるいは「自分で決めずに全て上司の指示を仰ぐこと、そのほうがリスクが無いよ」と指摘を受けました。さて、この社員の 3年後の行動はどのように変わったのでしょうか?

もう皆さんお気づきのようにこの社員の行動は、3年前自分が先輩たちから言われた事を、実際の行動で示すようになってしまいました。もちろん全ての社員がこのようになるのではありませんが、通常、社員の行動というのは、知らず知らずのうちに、その会社の持っている企業文化に染まってゆき、その会社で受け入れられる行動に変わってゆきます。この行動を私たちは見ているのです。

しかし、先週の概念図で紹介したように、「リーダーシップ」は組織文化の構築に非常に大きな影響を与えます。したがって組織の中でのロールモデル(お手本となる人物)となる人にリーダーシップがあれば、組織文化が変わってゆきます。ロールモデルとなった人の行動やものの考え方に社員は影響されて行動が変わるからです。

組織デザイン要素