キャリアパスが必要な理由 | (株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ

キャリアパスが必要な理由

そもそもグローバルで標準化されたキャリアパスをなぜ作る必要性があるのでしょうか?

この点を明確にしておかないと何のためにグローバルなキャリアパスを作るのかがわからなくなります。各社によって理由はいろいろと想定されますが、基本的には次の2点ではないかと思います。


1.グローバルな人材を惹きつけ国際競争力を養成する

日本の人口は頭打ちで、ご存知のとおり「少子高齢化」が確実で、人口が減ることが予測されています。一方で、世界の人口は増え続け、中国、インド、インドネシアなど、アジアに人口の多い国が集中しています。

もちろんその国の経済力、貧富の差、教育レベルなどによって異なりはしますが、世界にはポテンシャルを持った優れた人材が数多くいるのは間違いないことです。そういった人材を引き付ける手段として、キャリアパスの整備は大きな武器になります。ビジネスという観点からも人口が増える可能性のある地域は魅力的です。

これらを包括的に考えると、世界中にいる優秀な人材を惹きつけ、雇用することは企業の成長につながるわけですから、結果的にその企業の国際競争力を高めることにつながります。こういった「競争力」はテクノロジーのように短期間では追いつくことができませんので、非常に強力な「競争力」となります。


2.国を超えて人材の異動をスムーズにおこない、人と組織の強化をおこなう

企業がグローバルにビジネスを展開する際には、通常、現地の企業を吸収合併したりして、何らかの足がかりをつけた上でビジネスの展開を図ります。

組織の統合をおこなう上で、重要なのは「企業理念や企業文化」をいかにして統合された組織に定着させるか?ということです。そのためにはその会社の企業理念や文化を良く知った人がリーダーとして赴任すべきですが、その際、本社の人だけが赴任するとは限りません。

例えばアジアであるならば戦略的にアジアの支社の誰かが、他の国のマネジメントとして赴任することは当然ありえる話で、その人たちの処遇や将来のキャリアパスといったことが整備されていないと、「本社から異動する人材、支社から異動する人材」といった、複雑な構造に対して、フェアな扱いができなくなります。

国を超えた「人」のモビリティが低下すると、本当に必要な「人と組織」の強化ができなくなり、一方でキャリアパスが狭まり、結果的に優秀な人材の確保ができにくくなります。

こういったことは実際経験しないとなかなかリアリティのある問題として捉えにくいのですが、優秀な人材を世界の様々な地域から採用し、リテイン(社内で保持育成)するためにはグローバルで標準化されたキャリアパスがどうしても必要になってきます。