個人のキャリアは個人が考える企業文化 | (株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ

個人のキャリアは個人が考える企業文化

個人のキャリアは個人が形成するという考えを会社の企業文化として育成する仕組みとしては、①会社のDNA育成、②ラインマネジャーのOJT、③研修プログラムの充実、ということを挙げましたが、根底にあるのは「会社(マネジャー)と個人がパートナーである」という事です。エンゲイジされた社員が育つためには会社と個人がお互いに提供できること、つまり会社に対する貢献と個人に提供できる成長の機会と環境がWin-Winの関係にあって初めて成立するものだと思います。

人材パイプラインの「つまり現象」を恒常的に回避する根本的な方法は「個人のキャリアは個人が考える」という企業文化を創り出すしか良い方法は無いように思います。もともと日本に「終身雇用」「年功序列の賃金体系」という考え方が定着したのは「60年代の高度成長期」だと思いますので、まだ半世紀も経っていない考え方です。その間に右肩上がりの成長は崩壊し、グローバル化の進展、ITの発達、など様々な変化が起こりました。雇用に関わる環境も変わり、キャリアに関する考え方も当然変わって当たり前のはずなんですが、いまだに「終身雇用」や「年功制の賃金」が好ましいとされ、「成果をベースにした報酬」が悪者にされる風潮があるのは残念です。

P&Gで後継者育成が効果的に進められれている背景には、「優れた人材を育成するためのスペシャルコース」という人材育成のプログラムがあります。このプログラムの背景には「とんがった人材はとんがったまま伸ばす」という、公平ではあるけれども平等ではない人材育成に対する考えがあります。この考えの違いが企業文化に与える影響は極めて大きいと思います。

日本のほとんどの企業では階層別教育が基本で、例えば「新入社員研修」「3年生研修」「管理職直前研修」「新任管理職研修」という具合に、管理職になるまではほとんど横一線の教育を受けることになり、平等な機会が与えられることになっています。この考え方を否定するものではありませんが、結果として優れた若い人材をある一定の型の中にはめ込んで成長を遅らせているの事実です。「他の社員とのバランス」を考えるがゆえに、将来の後継者の育成をおくらせている原因にもなっているのです。

P&Gだけではなく、シンジェンタ・ジャパンでも同じように、サクセッションプランに名前が挙がっている人材には特別な育成プランが適用されることは当たり前の事でした。当然のことながらこういった人材は将来のグローバルタレントとしての教育を「会社の仕組み」として受けることになるのです。