グローバル化の6つのステップ(その16) | (株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ

グローバル化の6つのステップ(その16)

古くから続いている日本の「老舗」企業では当然のことながら、その家の家系の方が事業を受け継いでいます。ではこういった老舗に必ず優れた後継者がいつもいるのでしょうか?勿論そんなに都合よく優れた後継者が次から次へ産み出されるはずはありません。私自身このようなデータを集めていませんが、もしデータを持っていらっしゃる方がおられれば是非教えていただきたいと思います。恐らく後継者を選ぶ際には本筋の家系から可能性のない人を消去しながら、それでも適任者がいないときには養子を迎えるといったことを選択していたのではないかと思います。こういったプロセスは老舗企業の「事業継続」のための知恵だったのではないでしょうか。

では現代の企業で失敗しない後継者作りとは「どういったプロセス」なのでしょうか?私は「優れた後継者を育成し続けているP&G」と「一代でエクセレント企業となった日本マクドナルドが後継者で苦労した」という2つのケースを見てきました。この2つの企業文化の違いから失敗しない後継者育成を推測したいと思います。

まず第1に必要なのは「優秀な人材」を採用して「育成」するということを会社の重要事項として経営課題に組み込むことです。P&Gでは私が採用のマネジャーをしていた1985年には、既にグローバルの人材リストが準備され、各国の部門本部長はグローバルの部門長に毎年次世代を担うことが出来る人材のリストを提出していました。勿論優秀な人材のリストを作る事自体は簡単なことですが、それを人事の役割としてではなく、会社の重要な経営課題としてとらえているかどうかが大切なのではないかと考えます。

ところがこの単純な作業がなかなか上手く機能しないのが現実です。具体的には初年度に後継者リストを作ったとしても翌年、翌々年も顔ぶれが変わらない。つまり新たな人材が出てこない、あるいは、組織の上層部のポジションが空かないために人材のパイプラインが詰った状態になっていたり、といったことがおこります。
こういった状態を避けるために子会社を作って人材を出向させたりするのですが、子会社は子会社で上層部が親会社から出向してくるために、結局はどこかにしわ寄せが起こる状態をくり返すことになってしまいます。

それではP&Gではどのようにしてこのような人材パイプラインの詰りを解決していたのでしょうか?次回はこの辺りの話を中心に進めていくようにします。