グローバル化の6つのステップ(その15) | (株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ

グローバル化の6つのステップ(その15)

日本の企業がグローバル化を実践してゆくために必要な3番目のステップ、つまり「海外で一般的なビジネスプラクティスに精通し、実践する」ということについて、「パフォーマンスマネジメント」はこれまでの話でお分かりいただけたと思いますので、今週からは「タレントマネジメント」について話したいと思います。

タレントマネジメントという言葉も最近ではよく使われるようになりました。人事という単語の代わりにタレントマネジメント部という会社もあるようです。この言葉の意図するところは「パフォーマンスマネジメント」と同じで、人材育成に関ることです。「パフォーマンスマネジメント」が組織全体に焦点を合わせているのに対して、「タレントマネジメント」はより個人の育成の仕組みについて言及するものです。具体的には「後継者の育成」をどのようにおこなうのか、あるいは個人の能力を向上するためにはどのようなプランが考えられるのか、といった事が中心になります。

ここでは主に「後継者の育成」と言う観点から話を進めましょう。後継者の育成という課題が人事を中心にして話題にされてきたのは近年のことだと思います。一般的に企業の寿命は30年前後と言われてますが、おそらくその背景には企業の設立者が一代で築き上げた会社を誰も上手く発展させることができないという一般的な傾向が指摘されるのではないでしょうか。それほど企業にとって有能な後継者を育成することは重要な課題なのです。そのために「経営」と「資本の分離」という考えがあり、経営のためには起業に関った人たちだけではなく、経営のプロを中心として会社運営をおこなうことが必要なのです。では何故に「後継者育成」が近年脚光を浴びているのでしょうか?

起業家を含めた世の経営トップは「後継者育成」の重要性をよく理解していなかったのでしょうか?もちろんそんなことはないでしょう。どこの会社でも後継者選びは重要な課題であることは理解されているはずです。それにも関らず、人選に失敗したり、いったんは後継者にビジネスを渡したものの、またCEOの座に「もどってしまうような事例が多くあります。何故こういうことが起こるのでしょうか。いくつかの原因が考えられると思います。例えば、CEOが自分の周りに優秀な「実践者」だけを集めた場合、あるいは、全ての方向性と重要な意思決定をCEOが行ってしまっている場合、あるいはまた、新しい経営者と方向性がずれてしまい「任せられない」と思って戻ってくるような場合、など、いろいろな事情が考えられます。こういったことは日本の企業だけではなく、欧米の企業でも起こっているのではないかと推測されます。だからこそ、近年特に「後継者育成(Succession Planing)」が叫ばれているのだと考えます。

次回は失敗しない「後継者育成」について話したいと思います。