グローバル化の6つのステップ(その4) | (株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ

グローバル化の6つのステップ(その4)

日本の企業がグローバル化を実践してゆくための2番目のステップは「国の違いや人種の違いなどをこえて、社員同士が共通の価値観や行動の原則を持ってお互いを尊敬できるような、その会社独自の価値観や理念を明確にし、行動のレベルまで落とし込む」 ということでした。

前回、ダイバーシティを実践してゆく際に大きなハードルとなるのが、「異なった価値観や慣習を持つ人たちをどのようにしてリードすればよいのか」ということであると説明しましたが、1985年頃のP&Gを例に見てみましょう。その当時、P&G内部では、まだまだ外国人VS日本人、そして出身母体の異なる日本人同士の違和感がうごめいており、決して統一の取れた、一体感のある組織ではありませんでした。何か問題があると、「外国人は日本の事がわかってないからだ」とか「日本人が変化しようとしないからだ」とか、お互いを指摘しあうような事も起こっていました。

これについてオランダ人の社長がとった行動は実にシンプルなものでした。彼が常に発したメッセージは「私たちにとって重要なことは、P&Gの米国のやり方を真似ることでも、オランダのP&Gのやり方を無理に勧めることでもない。P&Gのジャパンにとってベストなことを行うことである」というものでした。このメッセージは非常に強力で、外国人も含めて、私たちは日本のP&Gにとってベストなものは何かということを常に前提として行動し始めたのです。

実は、日本にとってベストなことを行おうと思うと各国のベストプラクティスをベンチマークしなければならないということがおこり、自然とグローバルの考え方やベストプラクティスを利用するという考え方に向かっていったのです。結果としては同じことがおこっていたかも知れませんが、自分たちが納得して取り入れたグローバルで受け入れられている価値観や、アイデアなどについては自然な形で受け入れることが出来たのも事実です。

個人が持っている価値観を変えることは恐らく不可能なことでしょうが、会社として共通の価値観を持つことによって、バラバラの個人を共通の目標に向かわせることができたのです。こういった経験が後にもっと大きな意味を持つことになりました。次回ではこの点についてもう少し詳しく説明します。