前回の東日本大震災時の報道映像のまとめ をご覧になった皆さんは、市民科学者の藤田祐幸(ふじたゆうこう)さんの名前を忘れられない人も多いかもしれません(最初の動画の8分30秒より出演)。
東日本大震災から5時間が過ぎたフジテレビの生放送に電話出演した藤田祐幸さんは、たった2分20秒のキャスターとのやりとりを通じて予言のごとく、これから起こるであろうことを的確に視聴者に伝えられました。
①メルトダウン
②水素爆発
たった2分20秒やりとり…これを当時見たり、聞いたりできたかが、避難する避難しないの明暗をわけたという避難者も多いです。
念のため、映像を見ていないかたのために全文抜粋します。
2011年3月11日20:06分 フジテレビ生放送より
安藤優子キャスター
「原子力発電所の今後の安全確保について、専門家であります藤田祐幸(ふじたゆうこう)さんと電話がつながりましたので聞いてみたいと思います。藤田さん、今現在ですね原子力緊急事態宣言というものが出されまして自動停止しています(福島第一)原発については、冷却という作業が行われるための電力の確保といった事態になっているのですが、今どういう状況で、何がどう行われているとご覧になれますか?」
藤田祐幸氏
「原子炉というのは非常に高温にありますので、冷却を続けなくちゃいけないんですね。原子炉が緊急停止して発電が止まったとしても、原子炉の冷却をしないと原子炉がメルトダウンという状態になります。原子炉それ自身が溶けてですね、水に触れたりすると水蒸気爆発を起こしたりして大災害になります。それを防ぐために今たぶん電源車が向かってると思いますけれども、すでにメルトダウンの状態にはいっているのではないか…ということをたいへん心配しております」
安藤優子キャスター
「ということはですね、冷却がおこなわれておらず、炉心の溶解といっていいんでしょうか…メルトダウンの状況がもうすでに始まりつつあるのではないか?このような状況を藤田さん自身は心配されている…」
藤田祐幸氏
「非常に緊迫した状況にあるというふうに思っております」
安藤優子キャスター
「そのように推察される何か根拠というものはあるんでしょうか、時間的な根拠というのは?この地震が発生したのがですね午後2痔46分過ぎでした。それからですね、もう(東日本大震災から)6時間近くが経とうとしてるわけなんですが、そうした時間の推移というのはどのような影響があるんでしょうか?」
藤田祐幸氏
「もう、こういう場合には1分1秒という単位で物事が進行していくんですね。ですから6時間という時間は大変長い時間で、現場ではたいへんいろいろ苦労しておられると思いますけれども、もう一刻も早く電源を回復すること、そして冷却を再開すること。それができなければ非常に大きな災害になる可能性があります」
安藤優子キャスター
「なるほど、わかりました。とにかく電力車が全速力で現地に向かってるということで、電力を確保する、冷却を始めるということが大切だということが判りました。藤田祐幸さんに伺いました。ありがとうございました」