「青い壺」有吉佐和子著作

例によって聞く読書です。

 

昭和の大作家ですが、

令和の若者はし知らないでしょうね。

 

窯から焼きだされた青磁の壺を巡る物語です。

オムニバス形式になっています。

 

中でも私が面白かったのが、

お婆さん達の同窓会のお話です。

 

昭和30年頃と推察します。

戦争が終わり暮らしが楽になり、

戦前の女学校の同窓会の設定です。

 

70歳の老婆、この頃は入れ歯が普通で、

腰も曲がって、コルセットが出回り始めたころなのでしょう。

 

旅行などできなかった世代が、

楽しみにして、着物選びやら様々にはしゃぐ様子

修学旅行の女子高生気分なのでしょうね。

 

それでも、この時代のお年寄りは

老化が早っかたとみえ、京都見物も一苦労なのが、

可笑しいし、でも心は女学生みたいな表現が楽しいです。

 

現代の70歳はバリバリの現役ですが、

戦中食事も貧しく栄養がとれなっかたのでしょうね。

 

でも家族仲良く暮らしている背景が、

ほのぼのとして癒しを感じられます。

 

ラストは、病院で清掃業をしているお婆ちゃん。

不要なった見舞いの薔薇花の花びらを丁寧にあつめ、

乾燥して枕にして「幸せだなあ」と眠る