「ナチュラルボーンチキン」金原ひとみ著
オーデブルでしか聞けない、読めない?だそうです。
事実は小説より奇なり、なんて言葉を聞いたことがあります。
これは事実をもと再構成された小説です。
スケートボードで出勤し、彼氏がいてもホストに貢ぐZ世代の女性、
これはフィクションだとは思えないキャラクターです。
リアリティのある孤独なOLのヒロインも、
実は壮絶な過去があり、心を閉ざして生きています。
そこに母親が新興宗教に大金を注ぐために、
影のように生きる若者は、ついこの前のニュースに
ある男性を思わせます。
登場人物達は個性的に、生き生き描かれています。
ニュースの中の犯人は、うつむき何を思い、
どんな性格かわかりません。
事実はどんな人なのか知る由もなく、
新しいニュースが流れてきて、忘れられてしまいます。
彼らにも、もしかしてこんな過去や人間関係があるのでしょうか?
現実の事件をストーリー化しているとしても、
昭和と令和の解離が凄いと感じます。