「黄色い家」は、川上未映子の著作です。

例によって、聞く読書でした。

 

途中で眠って聞き逃した部分もありましたが、

クライマックスでは、胸に痛みを感じました。

 

令和となった今の時代、少子化が懸念されています。

猫も杓子も大学進学する人々と学歴なんぞ価値もないと思う人々。

 

思春期に簡単に子供を産んで、責任を放棄していなくなる男。

それでも母親は子供を育てますが、お金を稼ぐのには、

高卒以上の学歴がなければ、給与の低い仕事ばかりです。

手っ取り早く高い給料を稼げる水商売にはしります。

 

夜の家に残される子供、食事はインスタントや出来合い物、

親子の会話もない環境で育つだけでも、悲しいです。

 

母はひものような男を連れ込み、あろう事かバイトで貯めたお金を持って

姿を消します。そんな娘を気遣うこともなく母親も居なくなってしまいます。

 

 

 

入れ替わるようにあらわれた見知らぬ大人の女性。

母と違いきれい好きなキミコさん、優しく頼りになる存在、

そこから始まるスナック開業により、お金があっても親に愛とされない

思春期の同じ年頃の少女達、友達と言える存在とつるむ楽しさ。

 

この小説は、登場人物たちが抱える孤独や不安、そして過去との闘いを通じて、

読者に深い共感を呼び起こします。

 

「黄色い家」という舞台が物語全体に重要な象徴として機能し、

この小説は、登場人物たちが抱える孤独と社会の不条理を繊細に描いています。

 

荒唐無稽というより、ありそうな現実を具現しているように思えます。