おもむろに待合室の横を通過する
「この前さ、あたしミシン買ったんだけど、相性悪いのよぉ・・」
「あなたどこのミシン買ったのぉ~?うちのも最近針の走りが悪くって・・」
僕の足がピタリと止まる
ミシンの相性?
針の走り??
なんじゃそらぁ?
その場で足首を鷲掴みにされたかのように立ち竦む僕・・
こんな刺激的な会話を聞いてしまえば最早仕事どころじゃぁない
「わかるわぁ~、なんか天気が悪いと走らないわよね~」
「調子が悪い時はやらないのが一番よ」
うそーん!天気も関係すんのー!?∑(゚Д゚)
僕の年齢の倍に手が届こうかという人生の熟達者たちの日常会話・・
予想の範疇ではあるが、ミシンの腕前がシングルクラスであることは容易に想像ができる
正確無比と謳われる機械(ミシン)にも、〝その日調子〟というものが存在するのか・・
〝手縫い〟代表のような欠陥だらけの僕が、これまた機械でもないクラブを振るのだ・・
クラブとの相性やヘッドの走りが日替わりになってもなんら不思議なことではないな、ミシンに失礼だ
しかも、調子が悪い時はやらないのが一番か・・
シングルさん(←ミシンだけど)は、〝休むことも練習〟だということを知ってるんだな(-_☆)
「ミシン談義」もシングルクラスになると奥深い
自分から無理に合わせにいかずに、相手(機械)の機嫌のいい時を待ってファインプレーに繋げるわけか・・
こいつはやられたな・・マネージメントの話までしてやがる・・
戦前の人間なのに合衆国並みの合理性と柔軟性じゃないか・・
ところで・・ミシンのファインプレーってなんだ?縫い目か?
悟りとも言うべき感覚の境地を知り得た瞬間
晩年・・
僕はクラブのご機嫌を感じ取れるほどの男になってるだろうか・・