こよなくスポーツをしていると、必ず「心と体のバランス」の問題にぶち当たる。
つまり、プレッシャーがかかると、なぜ身体が動かなくなるのか、ということだ。
例えばゴルフでも、練習では楽々とできていることが、本番になるとできなくなる。特にプレッシャーのかかる大事な場面になると、体の各パーツの可動域が狭くなって思うように動けなくなったり、準備運動をしっかりしたはずなのに足が攣った、あるいは怪我をしたという経験をされた方は少なくないはずである。
一般的にはメンタル(精神)が肉体をロックするかのような解釈をしているが実はそうではない。
整形外科的立場で述べればこれらには歴とした理由があるもの。
(※よくブログを見た方から精神科ですか?心療内科ですか?と聞かれるが違いますからね( ´艸`))
以前、スポーツ団体の指導者・コーチ・トレーナーを対象とした講習会(メディカルセミナー)にて講演をさせて頂いた。
今回はそのときの一部を、ゴルフというテーマに幾分手直しし記事にすることに。
僕もたまには真面目な記事を書くんです(-_☆)
長話故、お時間のない方はスルーしてください。
※ここからはあくまで医学的見地を含めた僕なりの解釈と考えです。
その他の意見や学術的考察を否定するものではありません。
また専門用語を極力簡略したために誤解のある表現があるかもしれませんがご理解ください。
「心と体のバランス」
スポーツを「気合と根性」で捉えてきた我々世代。
怪我は根性で治すもの、痛みをおして戦うことこそがスポーツの美学であると教わった幼少時代。今でも年輩の指導者にはよく見られがちな傾向であるが、これは全く持ってナンセンスであり時代錯誤もいいところ。欧米に比べると運動生理学やスポーツ心理学の分野は日本は数十年いき遅れている。
僕的には〝精神が肉体を凌駕する〟という「東洋の神秘的思考」は嫌いではないし、医師的立場から述べれば〝病は気から〟という部分は否定できない。
自分の体に一体何が起きているのか。
そうした疑問に対して、明快な解答を示した僕が尊敬する一人のスポーツドクターがいる。
順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏である。彼が著した『なぜ、「これ」は健康にいいのか? 』では、 一言で言うと、痙攣が起きるのも身体が動かなくなるのも、自律神経のバランスが崩れている状態が招くというもの。
「自律神経」とは何か。簡単に説明すると、自律神経は内臓や血管の機能をコントロールする神経である。
体の「恒常性」を一定に保つのが、自律神経の大きな役割。つまり、外部環境の変化に左右されずに体の内部環境を一定に保つ役割を担う。人間の意識とは無関係に心臓が脈打ったり、眠っている間も呼吸が続いたりするのは自律神経のおかげである。
ご存知の通り、自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類がある。
交感神経は心や体が「興奮」する時に優位に働き、副交感神経はくつろいでいる時や眠る時など「リラックス」する時に優位に働く。よくインフォームドコンセント(患者さんへの説明)では交感神経はアクセルに、副交感神経はブレーキに例えられる。
小林氏によれば、実は「運動前の間違ったストレッチは、自律神経のバランスを崩してケガをする原因になる」のだという。
筋肉には、縮める時に働く「屈筋」と、伸ばす時に働く「伸筋」の2種類がある。多くの人が行っているストレッチは、屈筋か伸筋かのどちらか一方しか伸ばしていない。それが自律神経のバランスを崩し、筋肉に送られる血液のアンバランスを招くことになる。
要するに、ふくらはぎを局部的に伸ばすストレッチは間違いであり、ただ単にケガの原因を生み出すだけで、むしろやらない方が良いということになる。
ウォーミングアップを行う本来の目的は筋肉をほぐすことではなく、血流を良くして「体を暖める」こと。つまり、身体の隅々まで血流を行きわたらせることにある。
スポーツ前の準備運動は以下の4種類だけでよい。ストレッチは必要ない。以下の準備運動は自律神経のバランスを整えるとともに、自律神経のレベルを上げるトレーニングにもなる。
(1)両手を上に上げる。右手で左手の先をつかみ、引っ張りながら、体をできるだけ横に倒す。倒す時はゆっくり息を吐く。それを両方の手で行う。
(2)両手を前に出し、右手で左手の先をつかむ。そのままできるだけ横に引っ張る。引っ張る時にゆっくり息を吐く。それを両方の手で行う。
(3)右腕を前に出して折り曲げ、右ひじを左手で固定する。右手の手のひらを上に向けて、手首をぐるぐると回す。両方の腕で行う
。
(4)椅子に腰かけ、右の足首を左のひざの上に乗せる。その状態で右の足首をぐるぐると回す。両方の足で行う。
自律神経のバランスを意識的にコントロールすることで、パフォーマンスにおける心身のパワーを最大限に発揮できるようになる。つまり、健康状態が良くなるだけではなく、仕事やスポーツのパフォーマンス、すべてが良い方向に変わる。
自律神経のバランスは、主に副交感神経のレベルが上下することでとられている。よって、副交感神経の低下を防ぐことが、バランスをとる上で大きなポイントとなる。
実力のあるスポーツ選手であっても本番での調子にバラツキが生じてしまうのは、副交感神経が上下するため。
プレッシャーがかかったり、緊張した時に身体が動かなくなるのは、副交感神経のレベルが下がって、身体の末梢部分に血が行き届かなくなるからである。なれば、パフォーマンスを上げるためには、副交感神経のレベルを上げて血流を良くすればよい、・・というのが我々の考えである。
ケガを予防し、それでいてメンタル的にも質の高いパフォーマンスを期待できる。
まさに一石二鳥の準備運動である。
ただし、常に副交感神経のレベルだけを上げればいいと考えるのは間違い。リラックスしすぎても、パフォーマンスは落ちるもの。
例えばゴルフだと、終盤まで優勝争いしていた選手が、もう優勝がなくなったと分かった途端に、パットが入らなくなる。 今までの緊張の糸が切れてしまい、副交感神経のレベルが上がってしまうために気が抜けてゆるんでしまい、ミスが出る。
緊張しすぎてもリラックスしすぎても、良い結果は出せない。
「最も良いのは適度なストレスと適度な余裕を併せ持つこと」なのだ。
ゴルフは生涯スポーツ。
競技で活躍する方も、趣味の範疇で楽しむ方も、健康があってはじめて成り立つもの。
正しい準備運動やセルフケアをおぼえて、充実のゴルフライフを送りましょう(^O^)/
くぁ~・・・かてーな・・今回の記事・・
たまにはいいか・・・・
↓こんな画像の記事ばっか書いてるし・・(爆)