高校の英語教師になって2年
彼は仕事を辞めました。
仏門に入ったのです。
大きなお寺をやっていた
彼の叔父にあたる方に
子供が無く
後を継いで英語で仏教を
広めたいと語っていたそうです。
若者が居なかったそのお寺で
彼はどんな雑用でも笑顔で引き受けて
とても喜ばれていました。
「スタートが遅いから
人の3倍は頑張らなくてはいけない」
そう言って忙しい合間に
京都に通い仏教を学んでいました。
そして2ヶ月後
彼は突然逝ってしまいました。
あまりの悲しみに
読経する僧侶の方々も涙で
お経にならなかったと
後に彼のお母様に伺いました。
ハンサムで優秀で優しくて
誰に対しても同じ態度で接し
本当に仏様のような人でした。
告別式では1000人近い人が
彼との別れを惜しんで下さいました。
あの日から数十年経った今も
私はまだ悲しみを乗り越えられずにいます。
こうやって彼を思い出すと
あの日に引き戻されて
胸が締め付けられ涙が溢れます。
あの日から私は笑う事を忘れ
ただひたすら彼が迎えに
来てくれる事だけを考え
生きていました。