先日、ソファーに座り、頭上に手を伸ばしてテレビを見ていたら、なにやら指にあたるものがありました。
「ん?」
と思い、立ち上がって見てみると、ソファーの背もたれの上をカメムシが歩いていました。
君は、、、
いったい、どこから来たの?
年末に亡くなった友人が、虫になって会いに来たか?
まさか、、親か?
いやいや、、、
フーラならうれしいな、とか思ったりして、、、
僕はカメムシの背中をつまんで、ベランダに逃がしてあげました。
そして、カメムシの動きをしばらく室内から見つめていました。
ああ~、、そっちじゃないって。
カメムシは一生懸命にベランダを歩き、全然見当ちがいの方向へ進んでいきました。
僕はいたたまれなくなって、もう一度ベランダへ出ました。
彼の背中をつかみ、ベランダから真下にあるツツジの植込みに向かって、垂直に彼を落としました。
ヒューッと彼は落ちていき、植込みに吸い込まれていきました。
「カメムシくん、達者で暮らせよ」
僕の住まいは、鳥は来るけど虫はほとんど来ない高さなのですが、彼はどうやってこの部屋に入ったのだろう。
まあ、それはいいとして。
ベランダを歩くカメムシを見て、なんだか自分を見ているような気持ちになりました。
きっと、空の上のほうから、
「あぁ~、そっちじゃないって、見てられねーなぁ、、」
とか言われてたりしているんだろうな、、
なんて思ったりしてね。
でも、すべてが俯瞰で見えてしまったら、、
生きる意味もなくなってしまうかもしれませんね。
よろこびも痛みも。
全部ひっくるめて人生ってことで。
カメムシくん、元気かなぁ?
鳥ちゃんに食べられちゃったりしてないかな?
必ず、元気でいてくれよ、、
生き延びるんだぞ。
僕は彼に、、エールを送りました。


