眠っているサーラのおなかが

ゆっくりと

上下するのを見ていた

そのおだやかな動きが

この世界をあたたかくした

時が速度をゆるめ

僕をあたたかくした

いまこの瞬間が

このささやかな眠りが

永遠ならいいのに

だから

僕はたずねた

あの

すみません

どうか

そういうわけにはいきませんかね?

しばらく

耳を澄ましたけれど

こたえはなかった

写真立てのフーラが

なにも言わずに

僕を見ている

僕はサーラを起こさぬように

そっと

背中に顔を近づけ

サーラの匂いを

この胸に吸い込んだ

すべてが消えても消えぬような

たしかな記憶を刻むために